今年も残りわずかとなりました。このコラムを読んでいる皆さんの中には、クリスマスパーティーや忘年会、新年会などの計画を立てている方も多いと思います。また、給食を作る皆さんも、特別料理の準備に忙しい頃だと思います。

この時期は、普段作り慣れていない料理を作ることも多いのではないでしょうか。パーティーなどに食物アレルギーの方が参加する場合、特に重度の方の場合は原材料の確認と共に、製造環境の確認もしていただきたいと思います。

手や調理器具から微量混入も

使用する原材料にアレルゲンは含まれていなくても、調理従事者の手や洗い残しの調理器具、製造環境などから微量混入してしまうケースがあります。特に、日頃よく使う食品で注意して欲しい食品は「小麦」です。

小麦粉のふるいの実験では、ふるいによって周囲5メートルに小麦粉が飛散し、20分間浮遊するという結果が出ています。換気扇の真下でふるいを行うと浮遊時間は短縮されるものの、1メートル離れている地点でも小麦粉が浮遊していたという報告があります。小麦粉は粒子が小さいため、想像以上に飛散することが、これらの報告から理解できるかと思います。

粉が飛散する「ふるい」に要注意

これから行う集まりに小麦アレルギーの方が参加される場合、小麦粉を使用したお料理やお菓子を作るなら、事前に除去の程度や主治医の助言を確認しておきましょう。少量の小麦は食べられる程度に回復してきている場合でも、小麦粉のふるい操作や作業手順には十分に注意しましょう。

また、米粉パンと表示されている商品の中でも、小麦グルテンを使用しているパンが販売されていることもあります。コーンフレークやシリアルでも、小麦、大麦、ライ麦が含まれることもあるため、原材料をよく確認しましょう。

今回は、小麦アレルギーがある場合の注意点を紹介していますが、他のアレルゲンも同様です。どこまで除去し、注意しなければいけないのか、食物アレルギーのある方をゲストに迎える場合、必ず詳しく確認しておきましょう。

今回紹介するのは、パーティーにもふさわしい「カボチャのニョッキ トマトとブロッコリーソース」。小麦粉の代替えとして、片栗粉を使用しています。

カボチャには、粘膜や皮膚を強化されるβカロテンが豊富に含まれています。ソースに使ったトマト、ブロッコリーにもファイトケミカルが豊富に含まれ、風邪予防にもふさわしい1品です。簡単なレシピですので、子どもたちと一緒に作るのも楽しくなりそうですね。

管理栄養士・乳井美和子、小高鏡子

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