「子どもが濃い味付けを好み、濃くしないと食べてくれないので、どうしても味付けを濃くしてしまいます。やはり薄味がいいのでしょうか」という質問を受けました。塩分の取り過ぎは生活習慣病につながるリスクがあると、大人向けにはよく言われることですが、子どもにも当てはまるのか、疑問があったようです。

暑熱環境下や発汗が多いときは必要

スポーツをする場合に暑熱環境下や発汗量が多くなるときは、発汗量にあわせて食塩やナトリウムを摂取する必要があります。しかし、食塩は摂取量が多いと、胃がんや高血圧のリスクが上がると言われています。

血圧は年をとってから急に上がるものではなく、30歳くらいから徐々に上がっていくもので、長期間食べた食塩が加齢による血圧の上昇に大きな影響を及ぼします。そのため、暑熱環境下や発汗量が多いとき以外、普段の食事では子どもも含め、節塩(減塩)を心がけることが大切です。

食事摂取基準では、15歳以上の男性では1日に7.5g未満、12歳以上の女性では1日に6.5g未満が目標量となっています。平均して、みそ汁1杯には約1g、ラーメン1杯には6gの食塩が入っており、意識しないと目標量を超えた食生活になりがちです。

味のメリハリをつけておいしく調整

家庭での食事はすべて濃い味付けにするのではなく、塩以外の調味料やだしをうまく使うなどして、味のメリハリをつけると良いでしょう。また、減塩商品を選んだり、ラーメンのスープは半分残したりと、おいしいと感じながらも節塩する工夫をしましょう。

さらに、子ども自身が調味料の量をコントロールできるよう教えることも大切です。例えば、納豆に添付されているたれ、インスタントラーメンなどの加工食品に添付されている調味料など、何も考えずにすべて使うのではなく、半分でもおいしく食べられるなら、余分な塩分をとらずにすみます。

ただし、味覚は慣れ。家族そろって薄味に慣れるよう節塩に取り組み、自分の味覚にあった適量を自分で調整できるようになると良いですね。

今回は、「バナナシフォンケーキ」を紹介します。糖質、エネルギー補給のための補食に適していて、食塩相当量は0.2gととても少なめです。

参考文献:佐々木敏の栄養データはこう読む! 佐々木敏著

管理栄養士・田澤梓