「ハロウィン」は、いつの間にか日本でも定着したイベントとなりましたね。クリスマスやバレンタインもそうですが、親世代より子ども世代の方がイベントにとても敏感です。特にハロウィンは、ここ数年、若い世代が中心になって年ごとに大きくなり、仮装大会やパーティーと街中が盛り上がることも増えてきました。

 ハロウィンはクリスマスと違って宗教的な行事ではありません。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す行事から始まった、いわば収穫祭です。特に米国で定着し、カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりする民間行事として発展しました。

 そんなお祭り騒ぎを、親世代は少し冷めた目で見てしまいがちですが、せっかくの機会です、家族でカボチャを食べるきっかけにしてみませんか? 

 と言うのもカボチャはこの時期、栄養的に優れものの野菜だからです。緑黄色野菜が市場から姿を消す秋の季節、ビタミン摂取においてもカボチャはとても貴重な存在なのです。

 日本でも冬至にカボチャを食する習慣があります。ひょっとしたら、カボチャに目がいくこのイベントも、栄養価の高い野菜をちゃんと食べて冬に備えようと考えた西洋の先人の知恵なのかもしれませんね。

「暖色」は食欲増進

 そしてもう1つ。このカボチャは色についても、大きな利点があります。食卓における色は大切です。特に、赤やオレンジ、黄色という「暖色」は、「温かさや興奮」といった印象を与える色として重要視されていますし、それに伴い食欲を増進させさる色としても広く知られています。寒さが忍び寄るこの時期、カボチャは手に入りやすく、栄養価が高く、食欲を増す力を持つ野菜として貴重です。

 甘みが強いものがおいしいとされますが、煮物にすると甘みのせいでかえってご飯のおかずにはなりにくいかもしれません。今回は味噌を効かせて肉をプラスし、ピリッと辛口に仕上げたボリュームおかず「鶏ももとカボチャのピリ辛味噌蒸し」を紹介します。レンジ加熱で簡単ですし、お弁当にも活躍の一品として、秋の定番にしていただければうれしいです。

■鶏ももとカボチャのピリ辛味噌蒸し
<材料 2人分>
鶏もも肉   1枚
味噌     大さじ3
みりん    大さじ2
一味唐辛子  少々
タマネギ   1/2個
カボチャ   300g

<作り方>
(1)カボチャは種を取り1センチ幅の薄切りにする。タマネギは薄切りにする。

(2)鶏もも肉はそぎ切りにする。ボウルに味噌とみりん、一味唐辛子を入れ、泡だて器で混ぜて均一にし、鶏肉を入れて味がなじむようにもむ。

(3)耐熱の皿にカボチャとタマネギを広げ、その上に(2)を並べる。

耐熱の皿にカボチャとタマネギ、調味用を入れる
耐熱の皿にカボチャとタマネギ、調味用を入れる

(4)(3)にふんわりラップをかけ、レンジに8分かけ火を通す。

レンジで火にかけた後
レンジで火にかけた後

(5)盛りつけた後、お好みで一味唐辛子をかける

鶏ももとカボチャのピリ辛味噌蒸しの出来上がり
鶏ももとカボチャのピリ辛味噌蒸しの出来上がり