リーダーたちが気配りと声かけ
とはいえ、最後の1年にかける4年生のモチベーションと下級生のそれとは違うのも事実だ。髙橋は「私生活から頑張っていこう」とグラウンド内外で細かく声をかけ続け、この状況を一緒に乗り越えるために励まし続けている。寝坊して朝ご飯を食べない選手がいないよう、時間をきっちり守り、生活が乱れないよう細部にまで気を配ってきた。
寮やグラウンドでの感染症対策も徹底した。あとはとにかく外からウイルスを持ち込まないこと。田中澄憲監督をはじめとするコーチ、スタッフ陣も電車やバスを使わず、自家用車や自転車で通うなど、細心の注意を払っている。
帰宅組とも密なコミュニケーション
元々、チームには学年やポジションも関係ない約15人ずつのグループがある。それらのリーダー6人をはじめとする4年生は自粛期間中、毎日集まって練習内容から生活の規則等まで意見交換し、今やるべきことを確認し合った。監督やコーチ陣からの対面での指示はないため、自分たちで考える。そこで決まったものを各グループに伝え、そこでもミーティングを重ねた。帰省組のPR大賀宗志(2年)が「そんなに置いてきぼりの感じはしなかった」と言うように、離れていてもコミュニケーションは密にとってきた。
検温、体調管理等、データを入力させるほか、週2回、体重を報告させ、管理栄養士の山田優香さんに伝えるものリーダーの役目だ。山田さんはそれらを見て、選手のコンディション状況を把握していった。
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