県内屈指の進学校、自立のための学び

自己管理能力を高めるために、選手の意識向上と維持、そして知識を与える体制を整えている。藤枝東は県内屈指の進学校。同校OGでもある中野さんは「体を大きくするためにはどうしたらいいか」といったように、テーマに沿って基本的なことは教えるが、「家で何を食べたいか、作ってもらいたいかは、自分の口で言いなさい」と自発性を促す。卒業後、大学生や社会人となり、寮生活や1人暮らしをしながらサッカーを続ける選手も多いため、「自立」も目的の1つだからだ。

こちらの3年生テーブルは早くも完食した選手も。左から小川陣、矢野圭真、濱井玲旺、遠藤亮太、斎藤仁の各選手
こちらの3年生テーブルは早くも完食した選手も。左から小川陣、矢野圭真、濱井玲旺、遠藤亮太、斎藤仁の各選手

「自分の体と向き合うための指標があった上で、栄養指導を行うことが大切」(中野さん)と、内科医で血液検査を受けさせてフィードバックし、月1回は体組成を測定。この日は藤枝市役所の健康企画課の協力も得て、全部員の体組成を2会場で測り、選手たちは暑い夏で酷使した体の中を確認した。

食事の前に体組成を測る選手たち
食事の前に体組成を測る選手たち

また、くるみキッチンプラスはヘモグロビン推定値の簡易測定機を所有しており、帰り際に測っていく選手も多かった。

ヘモグロビン推定値を測る各務選手(中央)
ヘモグロビン推定値を測る各務選手(中央)

FW各務元夢(もとむ)選手(2年)は貧血気味で持久力に問題があったため、「レバーなど鉄の多いものを、家でも積極的に作ってもらって食べている」。この日測定すると「初めて2ケタ行った!」と声をあげて喜んでいた。

寮生活を送る選手は、自分で補食を購入して足りない栄養素を補っている。MF柳谷冬羽(とわ)選手(3年)は「乳製品やオレンジジュースなどコンビニで買っています。栄養素を考えるようになり、体も随分大きくなりました」と自己管理ができるようになっている。

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