高校サッカー界屈指の名門・藤枝東(静岡)は、昨年10月から本格的な食事トレーニングに取り組み、肉体強化とコンディションアップに努めている。
一部の3年生が引退した現在、部員は72人。2グループに分かれてそれぞれ月3回、練習後、管理栄養士で公認スポーツ栄養士でもある中野ヤスコさんが経営する、藤枝市の飲食店「くるみキッチンプラス」で夕食をとり、栄養指導を受けている。
くるみキッチンプラスで月3回ずつ
夏休み明けのこの日のメニューは以下だった。
●主食=胚芽米(5分つき)
●主菜=豚肉香味蒸し
●副菜=大豆ミートの野菜甘酢あん、ポテサラマスタード風味、キャベツとワカメのうま塩だれ
●汁物=キムチと豆腐のスープ
●果物=桃ジャムヨーグルト
ご飯を700gとした場合のエネルギー量は1952kcal(1日4500~5000kcal想定)。炭水化物を6割強とし、タンパク質、脂質もしっかり摂れ、野菜、海藻、大豆製品など様々な食材を使ってビタミン、ミネラルもたっぷり補給できるよう計算されている。
食事量は自分で、継続成果を実感
食事量の強制はなく、選手が自分で決めているが、ご飯の量は500gを2杯で計1kg、約3合食べる選手が大半だった。選手は自分に何が必要かを理解しており、和やかに会話を楽しみながらもあっという間に完食していた。
CB浦部舜主将(3年)は「足がつりやすかったが、この夏はつらなかった。去年よりも体が動くようになったし、家でもご飯は900kcalほど食べるようにしている」。SB遠藤亮太選手(3年)は「最初はこんなに多くのご飯を食べられなかった。栄養の本を見ながら家でも作ってもらっている」と、食トレの継続の成果を実感していた。
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