「強制感」なく「不平等感」も生まれにくい

楽しいはずの野球をつらいと思わせないため、横浜金沢V・ルークスには以下の取り決めがある。

(1)練習参加を強制しない。野球以外のスポーツや習い事の掛け持ちも自由
(2)月に1度は「ファミリーデー」を設け、家族との時間を大切にする
(3)1学年は基本7人までで、チーム編成は2学年で14人以下を基本にする
(4)投球に球数制限を設ける

こうすれば「強制感」もなく、試合に出られない「不平等感」も生まれにくい。ケガも減り、若年齢での燃え尽きも避けられる。

本来あるべき「子供中心」の考え方。それは「親」との関係にもかかわってくる。(つづく)【沢田啓太郎】

3月末に行われた送別記念試合を終えた6年生は全員、選手、コーチから胴上げ。笑顔がはじけた
3月末に行われた送別記念試合を終えた6年生は全員、選手、コーチから胴上げ。笑顔がはじけた

◆小学生の球数制限
今年2月、全日本軟式野球連盟は今夏の小学生の全国大会で1日70球(4年生以下の大会は60球)の球数制限を設けることを決めた。周知期間を経て、2020年からはすべての小学生の公式戦に導入される予定だ。選手の肩、ひじの故障防止が目的で、ガイドラインとして「1日の練習は3時間以内」「1年間の試合数100試合以内」が各チームに周知されることになった。

この通達を受けて、東京都軟式野球連盟は特別規則として、東京都大会で1日70球以内、1度降板後は再登板できないなどのルールを通達。ある地区の都大会につながる公式戦では、1球ごとに投球数を示す手製のボードが登場した。

千葉県や横浜市では以前から1試合5回(4年生以下は3回)の制限が設けられていた。

◆横浜金沢V・ルークス
2017年3月、選手5人でスタート。横浜市金沢区を拠点に活動し、わずか2年で選手数は46人まで増えた。月謝は3000円。VはVoyage(大航海)、ルークスはきらめき。子供たちの人生にひと筋の光を差すことができたら、との思いを込めて命名。