「指導者5ルール」は必ず守ってもらう

横浜金沢V・ルークスには「指導者5ルール」というのがある。

◆導く意識を持つこと
◆公平性を保つこと
◆透明性を持つこと
◆効率の向上を考えること
◆「安全より重要なことはない」と認識すること

チームには代表、監督以下、コーチを含めて20人の指導者がいる。自分の子供も所属している人がほとんどで、野球未経験者も半分近い。希望するなら誰でもウエルカムではあるが、「指導者5ルール」は必ず守ってもらう。

特に徹底しているのが、怒鳴らないこと、感情的に怒らないこと、自分の考えを押しつけず、ヒントを与えて子供たちに答えを考えさせること。田畑コーチは「子供たちを萎縮させないように気を使っています」という。

横浜金沢V・ルークスに怒鳴る指導はない。コーチがヒントを与え、選手に考えさせることを重視している
横浜金沢V・ルークスに怒鳴る指導はない。コーチがヒントを与え、選手に考えさせることを重視している

なぜ、こういうやり方を取っているのか。2年前、チームを立ち上げた中心メンバーのひとり、澤中貴司監督(50)がきっかけとなった「事件」を明かした。(つづく)【沢田啓太郎】

◆中学軟式野球部の減少
中学校の野球部のほとんどは軟式。日本中学体育連盟が加盟校を対象にした調査によると、軟式野球部の部員数の最も古いデータは2001年度の32万1629人。09年度の30万7053人から減少を始め、17年度は17万4343人と約20年でほぼ半減した。学童野球から進学する際、リトルシニアやヤングリーグの硬式チームを志したり、軟式でも地域のクラブチームに進む場合が増えていることもあるが、小学生が野球に触れる機会が減っていることが要因に挙げられている。安全面への配慮から野球禁止の町の公園やスペースが増えたり、道具代やチームのお茶当番など保護者への負担など、が野球を敬遠する理由とされている。

◆横浜金沢V・ルークス
2017年3月、選手5人でスタート。横浜市金沢区を拠点に活動し、わずか2年で選手数は46人まで増えた。月謝は3000円。VはVoyage(大航海)、ルークスはきらめき。子供たちの人生にひと筋の光を差すことができたら、との思いを込めて命名。