筑波大大学院学位論文発表会で質問に回答する中村(撮影・峯岸佑樹)
筑波大大学院学位論文発表会で質問に回答する中村(撮影・峯岸佑樹)

松本さんは7日の引退会見で「出産後に『野獣』を作るのは大変だった」と発言した。中村はこの発言に理解を示し、「試合1カ月前から男になるので、そこから作り込むのが大変だったと思う。育児でこれまでの闘争心を作り上げるのが難しく、目の前にいる子供が優先になってしまうのはしょうがない」と話した。出産後、競技復帰するためには「育児の環境整備が重要」と訴え、「トップアスリートは練習をやりこんで心身を作る。練習時間をしっかり確保できるための環境作りが大切で、そのためのサポートが必要」と呼び掛けた。

昨年10月の福井国体以降は、本格的に論文の執筆に着手した。稽古は12月から週1~2日になり、年末年始は「ずっと自宅に引きこもっていた」と苦笑い。12日には松本さんがスタッフとして勤務するアイスクリーム店「ダシーズ」(東京・新宿区)がオープンする。「論文発表は柔道以上に緊張したし、違った疲れが出た。松本さんが作ったアイスを食べてエネルギーチャージしたい」と、疲れた表情で先輩との再会を熱望した。

(2019年2月9日、ニッカンスポーツ・コム掲載)