全国高校ラグビーフットボール大会に19大会連続29度目の出場となる東福岡(福岡)は、Aシードとして2年ぶりの優勝を狙う。初戦は30日、1回戦で高松北(香川)を破った関商工(岐阜)と対戦する。

名門“ヒガシ”の武器であるスピード感あふれる継続ラグビーは健在。さらに今チームはキックパスを織り交ぜた縦の攻撃が強みだ。FWの平均身長は175.5センチ、平均体重は89.2キロと例年に比べてコンパクトだが、機動力を使えるFWが多く、キャプテンのHO福井翔(3年)を中心としたラインアウトの精度は高い。藤田雄一郎監督(46)の目指す「自立したラグビー」がどう発揮されるか、注目される。

大会直前の練習で、福井翔主将(左から2人目)を中心にセットプレーを確認する東福岡フィフティーン

年に2度スポーツ栄養セミナーを受講

東福岡は年に2度、部員121人全員が管理栄養士によるスポーツ栄養セミナーを受講している。野球の侍ジャパンや、プロ野球球団、Jリーグ、ラグビー日本代表などとも提携している専門業者から、体作りに必要な炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を「食事の中でとる大切さ」を意識付けされている。

大会最多となる11人の高校日本代表を擁し、代表戦や、国体、海外遠征などの経験が豊富な選手が多いだけに、「自立した食育」ができているのも強い。11月には「大会中、試合当日の栄養補給」について学び、“花園対策”もバッチリで、タンパク質、炭水化物の補食を個々で考え、自己管理に努めてきた。

SO吉村は6キロ増でベスト体重に

今大会の注目選手で、1年時に全国優勝を経験したSO吉村紘(3年)は、昨年の花園出場時から6キロの体重増に成功した、特に意識の高い選手である。

「3年生にとって最後の大会なので、優勝することだけを目指して頑張りたい」と話す吉村

「3年になってからは、ただ『増やす』だけではなく、おかずを多めに食べながら体脂肪を減らす増やし方にスイッチしました。朝と昼にご飯を大盛りで食べますが、夜はご飯を食べません。おかず2種類と、サラダを多めにとって、タンパク質を中心に食べるようにしています。お米を食べる量は減りましたが、ウエートトレーニングを増やした結果、85キロまで増えました(身長176センチ)。花園を前に、今がベスト体重だと思います」。

SO吉村紘の朝食。毎朝5時起きの生活で、食が進まないときはおにぎりにして持参する。オレンジジュースと牛乳は欠かさない

吉村が自信をもってそう言えるのは、サポートしてくれる家族の存在が大きいからだ。北九州市から約1時間半かけて電車通学する吉村は、毎日5時に起床。飲み物と野菜、おかずだけしか食べられないときはおにぎり2個を持ち込み、7時からの朝練習前に口にした。また毎日、1時間半のウエートトレを行い、食事とトレーニングの効果で増量できたと実感している。

SO吉村紘の夕食。主菜は必ず2品。野菜とタンパク質多めの食事を心がけている

FW陣にも食事の工夫を聞いた。ベンチプレス140キロを上げる175センチ、97キロ のPR木原優作(3年)は、毎日2段弁当に、補食のおにぎり3個を学校に持参する。「空腹の時間を作らないように、練習前と後におにぎりを食べています。最近2キロ増え、体重が重くなった分、持ち上がるウエートの重さも上がりました」。増量期には、積極的に餅を食べたそうだ。

PR木原優作(左)とFL小島雅登。東福岡のスピードラグビーはFW陣が支える 

175センチ、82キロの副主将、FL小島雅登(3年)も同じように、2段の弁当とおにぎり3個の補食は欠かさない。「花園ではホテルの人が作ってくれる、うどんなどで炭水化物を多くとり、体重が減らないようにしています。風邪予防のためにも、オレンジなどのフルーツも多めにとっています」。花園常連校ならではの知恵と経験を生かし、試合に向けて万全の体調を整えていく。

藤田監督が「BKのスピード感はFWで作られる」と話すように、東福岡のカギを握るのは、FW陣。「小柄ですが、今年の選手はスピードと展開力がありますよ」と小島が言えば、木原も「去年のFWよりも走る量は多いです」と自信を見せる。食事とトレーニングで強く、速い体を作ってきた東福岡が、花園で俊敏性あるプレーを存分に発揮する。【樫本ゆき】

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