全国高校ラグビー大会の抽選会がきょう2日、行われる。2大会連続7度目の優勝を狙う東福岡(福岡)がこのたび、管理栄養士によるスポーツ栄養セミナーを受講した。「花園日本一のための栄養戦略」と題した約1時間半のセミナーで、3学年136人の部員が日常の食事の見直し、エネルギー補給のタイミングなどに耳を傾け、熱心にメモを取った。

部員数は県内最多の136人の東福岡は全選手が年3回、栄養セミナーを受講している

 就任5年目の藤田雄一郎監督(45)は「3年前からチームとして、年3回セミナーを受けています。食事に関しても、自主性を大切にしています。選手1人1人が正しい知識を身に付けて、自立して欲しいと思っています」と開催の狙いを説明した。

2連覇に向けてアンチ“根性メシ”

 ここ10年で6度、全国制覇している強豪・東福岡は、平均体重がフォワードで94キロ、バックスで80キロという重量集団。福岡県予選決勝では94-0と小倉を圧倒。昨年の85得点を上回る大会史上最多得点をマークした。

94得点を挙げ、18大会連続28度目の花園出場を決めた東福岡ラグビー部

 「平均100キロを目指した昨年のチームは、重すぎてスピード感が出なかった」と反省する藤田監督は、今年は体重管理を個々のコンディショニングに任せ、ノルマを作らない方針にシフトした。「米を無理やり食べさせることはありません。アンチ“根性メシ”です。目指しているのは、自立した食育。そのために、セミナーで知識を得ることが重要なのです」と話した。

平均体重94キロのFW陣が小倉をパワーで圧倒した

 セミナーでは、選手たちが積極的に手を上げて質問をする光景が見られた。講師を務めた管理栄養士の小坂真由美さん「ラグビーは平均90~100キロの体重が必要な球技ということもあり、身体作りへの関心は他の競技に比べて高いです。特に東福岡は保護者も協力的で、入学時から20キロ前後も増える選手が多いですね」と話した。

視線の先は「世界」

 選手たちの視野にあるのは、2019年に日本で開催されるワールドカップ、2020年東京五輪(7人制ラグビー)だ。目標が高校日本一でなく「世界」に向いていることも、食事への意識の高さにつながっている。

セミナー終了後、日頃の体作りの取り組みや悩みをアンケートに書き込む選手たち

 179センチ、87キロの体格で、県予選決勝で先制トライを挙げたWTB堀田南雄斗(3年)はセミナー後、「今回で3回目ですが、いつも勉強になります」と感想を語る。「1試合終えると普段、体重が1キロくらい減ってしまうけれど、セミナーで正しい食事の摂り方を学んでからは、1、2日の食事で体重を取り戻せるようになりました」。

 タンパク質の大切さを知ってからは朝食で納豆1パック食べるようになり、また、母からすすめられた青汁も摂っているという。1日3回、おにぎり3個の間食も取り入れ、体重を減らさない努力を続けている。「今日のセミナーでは、大会中の食事について。ホテルのバイキングの選び方を知ることができたのが良かった。去年サポートメンバーとして経験したことを生かし、今年は圧倒的な優勝を果たせるよう、勝利に貢献したい」と7度目の全国優勝へ意欲を語った。

強いチーム作り「正しい食事が大切」

この日はセミナーのみ。休養と練習の調和を図りながら2連覇を狙う

 藤田監督は、強いチーム作りについて「(100%のうち)トレーニング20、睡眠30、栄養50」と説明する。「正しい食事と、心と体の休養こそが大事だと思っています。お財布に200円入っていたら何を買うか? 甘いお菓子を買うのか、おにぎりを買うのか?  どちらが自分への投資になるか。今日のセミナーを真面目に聞いていれば分かることですからね」。

「栄養、休養、練習のバランスが大事。ラグビーより大切なことはたくさんある」と語る東福岡の藤田監督

 全国大会は12月27日に開幕。選手各人の“栄養戦略”を結束させ、チーム力をさらに高める東福岡が、自信をもって花園連覇に挑む。【樫本ゆき】