専門家の強固な連携が「帝京スタイル」
ハードもすごいが、ソフトもすごい。新施設の豪華さが注目されがちだが、同センターのアスレティックトレーナー加藤基(はじめ)氏は「他でもやっているこのような連携で、うちが非常にうまくいっている理由やノウハウも広めていきたい」と意欲的だ。要因の1つは、専門家集団が認め合って連携できていることにあり、「ドクターが偉そうにしない。“先生”ぶらないから」だという。
クリニックの医師は、笹原潤院長(41)と根井雅(まさし)氏(30)の若い2人。白衣をまとわず、セーターやトレーナー姿で気さくだ。スポーツが大好きで、ラグビー部の試合はもちろん「今日も練習を見てきましたよ」と練習にも顔を出すが、他のスタッフの持ち分には口を出さない。お互いを理解し、任せながらも刺激し合うのが「帝京スタイル」。選手を支える強さの秘密だ。
本田圭佑ら外部サポートも
同センターは「日本のスポーツを強くする」として、学内だけでなく、学外のトップアスリートにもサポートを広げていく意向だ。すでにサッカー元日本代表の本田圭佑(32=メルボルン・ビクトリー)と、本田が実質的な監督を務めるカンボジア代表をサポートする業務提携を締結。本田にはトレーナーを派遣し、カンボジア代表選手には筋力トレーニングや栄養面を指導する。また同大出で、空手女子の16年世界選手権個人組手68キロ超級優勝の植草歩(26=JAL)も支援している。