私たちの筋肉などを作るタンパク質は、アミノ酸という小さな分子がくっついて構成されます。

アミノ酸には、体内で作ることができないため食事から摂らなければならない必須アミノ酸と、体内で合成することができる非必須アミノ酸があります。

必須アミノ酸
 バリン・ロイシン・イソロイシン・リジン・スレオニン・ヒスチジン・トリプトファン・フェニルアラニン・メチオニン

非必須アミノ酸
 グリシン・アラニン・アスパラギン酸・グルタミン酸・グルタミン・アルギニン・システイン・チロシン・プロリン

当然ながら、体内で作れない必須アミノ酸の摂り方が大切になるため、必須アミノ酸が多く含まれる食品を摂りたいところです。その指標として「アミノ酸スコア」があります。

食べ物に含まれる必須アミノ酸がどれくらいバランス良く含まれているかを数字で表したもので、100に近い数字のものほど、体内で有効に利用されます。

アミノ酸スコア100の食材例
豚肉・牛肉・鶏肉・アジ・サケ・カツオ・ブリ・卵・牛乳など

「桶の理論」とは

「バランス良く」ということを分かりやすくたとえた「桶の理論」というものがあります。必須アミノ酸を、桶を作る板だとすると、1つでも短い板があると、そこから水がこぼれ出てしまいます。結果として、桶の容量は少なくなる、つまり、体内のタンパク質の利用効率が良くないということになるわけです。

食品は1つで摂るわけでないので、アミノ酸スコアが悪い食品は、良い食品と一緒に摂れば、食事全体として考えると、無駄になるアミノ酸は少なくなります。アミノ酸スコアの高い食品を意識してとること、または色々な食品から質の高いタンパク質をとり、質の良い筋肉作り、体作りに生かし、競技力を高めていきましょう。

今回はアミノ酸スコア100のブリを使ったカンタン料理「旬ブリさっぱり一口ロール」を紹介します。

ブリはDHAとEPAの多価不飽和脂肪酸を含み、またビタミンDも豊富で骨の形成を促します。背を伸ばしたい選手、体を作りたい選手にはとても良い食材です。また、“疲労回復栄養素”でもあるビタミンB1も含むので、ご飯とともにいただきましょう。

管理栄養士・山口美佐