体の冷えは、アスリートの競技力向上を阻害させるような様々な症状を引き起こします。血液循環が悪くなって抹消血管まで血液が届かず、酸素や栄養が全身まで行き渡らないと、手先や足先が冷えて、思ったようなパフォーマンスを発揮できないこともあります。

人が活動するためには、体温が適切に維持されることが大切です。食事が原因で、パフォーマンスを発揮できなくなることもあるので、次に挙げるものが当てはまるかどうか、確認してみてください。

・食事の量が少ない
・血液の働きが悪い
・皮下脂肪が少ない

オフ期も食事を整え、規則正しい生活を

食事だけでなく、ストレスや不眠、胃腸不良なども冷えの原因に挙げられます。極端なダイエットにも注意が必要です。特に体脂肪率が少ない選手は気をつけましょう。

冷え防止のために食事からできることは、食事量を十分に取る、栄養バランスも良いものをとることです。主食、主菜、副菜、汁物、乳製品、果物の基本の6品を整えましょう。オフ期は食事含め、生活が乱れがちですので、生活を見直しましょう。

今回紹介するのは「ココロも体もホット汁」。ショウガを入れた具だくさんみそ汁です。

体を温める栄養素+ショウガ

体を温める栄養素で大切なものとして、タンパク質、ビタミンE(マグネシウム)、鉄が挙げられます。タンパク質は筋肉をはじめ、体の材料となるもので、ビタミンE(マグネシウム)は抹消まで血液がいくよう、赤血球を変形させたり血管を広げたりする血流を調整する作用を持ちます。鉄はヘモグロビンの材料となり、血液を増やすためにも必要です。

大根、ニンジン、小松菜や豆腐などを入れた具だくさんのみそ汁に、ショウガをプラスすると、新陳代謝が活発になり、発汗作用も高まります。ショウガの辛味成分ジンゲロンが加熱によってショウガオールに変化することで、胃液分泌を促進し、血液の循環を高めてくれるからです。

ショウガの代わりに、辛味成分カプサイシンを含む赤唐辛子を加えても良いですね。カプサイシンは血圧上昇を抑える効果も報告されています。寒い時は、体を温める栄養素にスパイスを加えて、全身に血液が運ばれるよう意識しましょう。

管理栄養士・山口美佐