新型コロナウイルスの影響で、初めて長期の休みを経験した選手も多くいたと思います。緊急事態宣言が出された頃は、終わりが見えない長期休暇をどう過ごして良いのか戸惑いながらも、自身の体の見直しに時間を有効活用した選手もいるでしょう。

すでに宣言が解除された地域もあり、徐々に規制が緩和されてきました。そうすると今度は、練習再開に向けて準備を整えなくてはなりません。どんな準備が必要でしょうか。

復帰に向けて必要な準備

(1)体重

まずは、体重をベストに維持しておくことが必要です。自粛前と比べてどのくらいの増減があったか、選手自身に考えてもらいましょう。

(2)スタミナ切れしないようにする

久々の練習でスタミナ切れしないように鉄、糖質ともにしっかりと取りましょう。鉄は動物性食品に多いヘム鉄、植物性食品に多い非ヘム鉄ともにうまく利用しましょう。

(3)ケガをしないようにする

ねんざや骨折などのケガに注意し、カルシウム、タンパク質、ビタミンCを意識して取りましょう。

(4)トレーニングメニューに合ったタンパク質量をとる

現在のトレーニング内容からタンパク質の1日必要量を求めます。アミノ酸スコアを整え、良質なタンパク質をとるのがポイントです。アミノ酸スコアとは食べ物に含まれるタンパク質の量と、体内で作ることができない必須アミノ酸の量がバランスよく含まれているかを数字で表した指標。アミノ酸は20種類、必須アミノ酸は9種類ありますが、1つでも欠落すると、うまくバランスがとれません。動物性タンパク質食品と植物性タンパク質食品をうまく組み合わせ、補うことが必要です。

また、タンパク質のエネルギー比率を20%未満に抑えるようにし、タンパク質を含む動物性食品と植物性食品を2:1で取るようにしましょう。

(5)食物繊維で腸内環境を整える

腸は7~9mもある長い臓器です。腸内環境を整えて、緊張やストレスを緩和しましょう。

これらを考慮して、今回は「復帰ネバっと爆弾」を紹介します。材料は、キムチ、納豆、ネギトロ。これらを混ぜるだけ、5分でできる簡単時短レシピです。

ネギトロはご存じの通り、マグロの赤身の切り落としをペースト状にしたものなので、動物性タンパク質がとれます。納豆はアミノ酸スコアが高い植物性タンパク質。発酵食品のキムチ、納豆は腸内環境を整えてくれます。ご飯のお供にすれば、主食も進み、疲労回復やスタミナ切れを緩和します。

1品でバランスが整う優れもの。海苔を巻いて食べれば、大人が好むお酒のつまみにもなります。

管理栄養士・山口美佐