よく、「鉄分をとりなさい」「レバーを食べなさい」と言われることはありませんか? 鉄、何となく大切なんだな…くらいに思っているジュニア選手が、ほとんどだと思います。

朝起きられない
食欲がない
集中力が続かない
手足が冷える
肩が凝る
午後眠くなる
頭が痛い、重い

こんな症状があったら鉄不足であり、貧血の可能性があります。

貯蔵鉄フェリチンの数値も確認

貧血かどうかは、血液検査でヘモグロビンの数値を見て判断しますが、スポーツ選手は貯蔵鉄であるフェリチンの数値も見てみましょう。

貯蔵鉄は、フェリチンというタンパク質と結合して、肝臓・骨髄、筋肉、酸素の中などに蓄えられています。これが不足すると潜在性鉄欠乏と言って、鉄欠乏性貧血の前の段階に当たります。貧血とは診断されないのに体調が悪い場合は、フェリチン不足を疑ってみるといいかもしれません。

私も選手に血液検査をさせますが、数値が正常であっても潜在性鉄欠乏かどうかを判断し、食事で貧血にならないようにしています。

食事から鉄不足を防ぐために、以下に気を付けましょう。

(1)アスリートの基本の食事をしっかりとる。
→鉄ばかりではなく、ビタミン・ミネラルバランス良く取りましょう。

(2)筋肉量の多いスポーツ選手は、一般の方よりも多くの鉄が必要。体内吸収率が比較的高い動物性のヘム鉄を摂りましょう。
→レバー、牛肉、アサリ、マグロ、カツオ、シジミなどに多く含まれています。

(3)植物性食品に含まれている非ヘム鉄は毎日、副菜に足すなどして摂りましょう。
→小松菜、ホウレン草、枝豆、切り干し大根、ヒジキなどに多く含まれています。

今回は、ヘム鉄が豊富な牛肉にブロッコリーの芯、旬のナスを使った「パフォーマンスアップステーキ」を紹介します。激しいトレーニング後の夕食におすすめです。

管理栄養士・山口美佐