今回は寮生へのサポートについてお話しします。早稲田大学庭球部は男女とも、部専用の寮がないため、寮生はそれぞれ好きな場所で生活しています。

私は、栄養管理コーチとして4月には各寮を回ります。調理担当者に食事メニューの共有を御願いし、選手の様子をたずね、彼らがアスリートとしての食事が必要なことを伝えます。いただいた献立表をもとに栄養計算。選手には、足りないものを自分で摂るよう指示し、食堂以外で食べたものを申告するよう指導しています。

寮はそれぞれ特徴があります。ただし、学生全般のための寮ですから、特別扱いはしてもらえません。ある選手は、夕食時間の終了間際に食堂に行き、余った小鉢をもらうなど工夫しています。こういった時、やはり早期からの栄養教育が重要で、親元を離れる時までに自分で選び、コントロールする力を身に付けておくことが必要だと思います。

また、補食を買わなくてはいけないとなると、金銭面も大変です。保護者にも理解してもらい、協力を依頼するなど、周囲のバックアップ体制も必要だと感じています。

パンにのせて補食や夜食としても使える「包丁いらずのカンタン補食」
パンにのせて補食や夜食としても使える「包丁いらずのカンタン補食」

そんな彼らにおすすめしている補食、缶詰のアサリを使った「包丁いらずのカンタン補食」を紹介します。食材はコンビニで購入できますし、電子レンジさえあれば、簡単に作れます。

アサリは鉄が豊富です。鉄は、真夏の発汗で一緒に流れ出てしまうので、しっかりと補給したい栄養素です。卵はタンパク質をはじめ、栄養バランスの良い準完全食品。1日1、2個はとりたいですね。

チーズはカルシウムを多く含み、骨強化はもちろん、神経系の調節も期待できます。お好みでレモン果汁をかけると、さわやかな味わいとなり、アサリのくさみも消えるでしょう。そのまま食べてもいいですし、パンにのせて補食や夜食としても使えます。

管理栄養士・山口美佐