ダイエットブームで「糖質オフ」がよく取り上げられています。確かに、病気や体質などで糖質を制限しなくてはならない人もいますが、スポーツ選手にとって糖質は、なくてはならないもの。しかし、間違った認識や自己流の判断で、糖質をカットしてしまう選手もいます。

特に男子は脂肪を落とし、筋肉をつけたいため、糖質を摂らずにタンパク質を摂る傾向が高く、女子は「糖質=太る」として野菜ばかり食べている傾向があります。

体内の貯蔵はわずか、摂りすぎで体脂肪

糖質は、体の主要なエネルギー源。消化・吸収されて血液と一緒に全身を巡ります。同じエネルギー源でも、脂質やタンパク質と比べると即効性があり、瞬発系や短時間の競技には糖質からのエネルギーが使われます。

しかし、糖質の体内での存在量は少なく、血液中のブドウ糖のほか、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量を貯蔵しているだけなので、運動量に見合った糖質の摂取が必要になります。不足すると意識障害に陥ることがあります。

とはいえ、使う以上の量を食べると、体内で脂肪となって蓄積されてしまいます。競技特性や個人差があるため、摂取カロリーと消費カロリーが同じかどうか、毎日体重チェックをしながら調整していくことが大切です。持久系のスポーツはパフォーマンスアップのために、糖質の摂り方やため方もポイントになってきます。

「うんめぇえ~」と言いながら食べて欲しい「海賊肉巻きおにぎり」
「うんめぇえ~」と言いながら食べて欲しい「海賊肉巻きおにぎり」

今回は、糖質を摂りやすく、何よりも楽しく食べられる「海賊肉巻きおにぎり」を紹介します。話題の海賊アニメにも登場する“マンガ肉”をジュニアアスリート用にアレンジしてみました。

ご飯に含まれる糖質を、素早くエネルギーに変えるビタミンB1の入った豚肉。これを、市販の焼肉のたれを使って味を付けました。アニメの主人公になったつもりでかぶりつき、必要なエネルギー源をしっかりとりましょう。

試合前やおなかの調子が良くない時は、食物繊維が豊富なゴボウではなく、同じ淡色野菜の大根を使用するなど調整してください。

管理栄養士・山口美佐