「体に良い」と評判のサバ。不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサエキサエン酸)が豊富に含まれることで知られ、血管を丈夫にし、脳の働きを高める効果が期待できます。

しかし、青魚特有のにおいや小骨があって食べにくいというお子さんも多いことでしょう。これらを解消し、食べやすく加工されているのが「サバ缶」。手軽に魚料理ができ、しかも生の状態より高くなっている栄養成分もあるのです。

缶詰のサバは加圧・加熱することで、骨まで食べやすい状態になっており、成長期に必須のカルシウムが豊富です。また、カルシウムの吸収を高めるビタミンDも、生よりも高濃度。水溶性のビタミンや鉄なども流れ出ているので、缶汁も残すことなく、しっかり食べましょう。

相乗効果で鉄の吸収率アップ

サバとトマトの缶詰でソースを作った「サバ缶ラグーパスタ」
サバとトマトの缶詰でソースを作った「サバ缶ラグーパスタ」

今回紹介するのは、サバ缶を使って作るミートソース風パスタ「サバ缶ラグーパスタ」。いろいろな味付けのものが売られていますが、今回のレシピには水煮缶をお使いください。缶詰のトマトを加えるだけで簡単に作れます。

サバにはEPA、DHA、カルシウム、ビタミン類(特にビタミンB群、ビタミンD)が、トマトにはビタミンCやリコピンが豊富に含まれており、ビタミンCによってサバの鉄分の吸収率が高まります。

サバはミートソース風に細かくするので、骨の部分も気になりません。トマトに含まれるうま味成分グルタミン酸の効果で、おいしさもぐっとアップします。

このソースがあれば、料理の幅も広がります。今回のようにミートソース風パスタ料理にしてもよし、マカロニと合わせてチーズをかけてグラタン風にしてもよし。もちろん、炊き立てのご飯と合わせてもおいしくいただけます。サバ缶とトマト缶は買い置きもできるので、気軽にお試しください。

料理家・山内千夏