風邪をひいたときに、すりおろしたリンゴを食べた経験がある方もいるのではないでしょうか。リンゴは晩秋から冬にかけてのフルーツの代表格。ヨーロッパには「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」という言い伝えがあるほどで、昔から体に良い食べ物として知られてきました。
今回は、そんなリンゴを皮ごと食べられる「シナモンジンジャー風味の焼きリンゴ」を紹介します。
皮に多いポリフェノールとペクチン
リンゴに含まれる栄養素の中に、ポリフェノールとペクチンがあり、これらは皮の部分に多く含まれています。
ポリフェノール(リンゴポリフェノールとも呼ばれます)には強い抗酸化作用があり、水溶性食物繊維でもあるペクチンには腸内環境を整える役割があります。加熱をする「焼きリンゴ」では皮の部分も食べやすくなる上、ペクチンの働きもより良くなります。味も凝縮し、甘みも増します。
またリンゴに含まれるビタミンCは、「酸化型」と呼ばれる加熱しても損なわれにくいものなので、ビタミンC補給も期待できます。
今回のレシピでは、抗菌作用のあるシナモンと、体を温めてくれるショウガを加え、風邪予防にも役立つようにしました。
温かいうちにそのまま間食としてだけでなく、料理にも色々活用できます。熱をとってから適当な大きさに切ってヨーグルトに入れたり、トーストにのせたり、肉料理の付け合わせやカレーに添えるチャツネの代わりにしたり…。日頃のご家庭の味に加えてみてください。
【料理家・山内千夏 】