最近、スーパーや専門店、野菜直売所や道の駅などで、知らない野菜を見かけることが増えました。今回はそのうちの1つ、「ビーツ」に焦点を当ててみます。

「食べる輸血」と言われるビーツ

 赤カブのような見た目のビーツは、ロシア料理の「ボルシチ」に欠かせない野菜として知られています。缶詰や真空パックなどでも売られており、日本国内での生産も増えています。しかし、どのようにして食べたらいいのか、まだあまり知られていないようです。

赤や黄色のテンサイの仲間

 ビーツは、和名では「カエンサイ」といい、砂糖をとるためのダイコン、甜菜(テンサイ)の仲間です。主に根の部分を食用としますが、甘味があり、色合いも鮮やかで、赤色だけでなく黄色いものなど、さまざまな種類があります。

 ショ糖を多く含むため、甘みがあるので、加熱して食べるのはもちろん、サラダなどでもおいしくいただけます。生で食べる場合は、薄くスライスや千切りにし、硬さをやわらげると食べやすくなります。

鉄・カリウム・食物繊維

 そんなビーツは栄養価が高く、「食べる輸血」とも言われています。

 まず、鉄やカリウムなどのミネラルがふんだん。食物繊維も豊富なため、腸内環境を整えてくれますし、鮮やかな赤色からくるポリフェノールによる抗酸化作用も有効といわれています。

 さらに、最近の研究で一酸化窒素が血流を促進し、筋力アップや疲労回復に効果があるということが分かってきました。ビーツは、この一酸化窒素を体内で増やす効果がある野菜として注目されているのです。

「ビーツの冷製クリームスープ」

 そんなスーパー野菜ですが、調理の仕方が分からない、調理しにくい、土臭さが気になる、という声が聞こえることもしばしば。今回は家庭の食卓でも取り入れやすいように「ビーツの冷製クリームスープ」を紹介します。

 蒸し焼きにすることで、甘みを引き出し、クセをとる方法をお伝えしています。ゆでて食べてもいいのですが、水溶性ビタミンや色素がゆで汁に流れ出てしまうので、その場合はゆで汁も一緒にとるようにした方がいいでしょう。まさにボルシチも、そういった作り方ですね。

 オーブントースターやグリルを使って調理する場合は、少し細かく切って加熱するのがポイント。加熱した後にペースト状にして、冷凍保存することも可能です。

 “新顔野菜”のビーツは、これから旬を迎えます。気温の変化が激しくなるこれからの季節、体調管理に一役買いそうです。

料理家・山内千夏