暖かくなり始めると、スーパーの店頭で春の野菜を目にするようになります。春を告げる野菜の1つ「グリーンピース」は、イタリアでも人気です。

 グリーンピースはエンドウ豆の一種で、豆が熟す前の未成熟な実。さやから出すと、身を守るために皮が固くなるので、さやごと買って食べる直前にむくのがおすすめです。また、収穫してから時間がたつと、発芽し始めるので、購入したらできるだけ早く食べるのがいいでしょう。

腸内環境整える不溶性

 未成熟な豆とはいえ、これから発芽するための栄養素をたくさん備えています。

 タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素をバランスよく含んでおり、中でも食物繊維が豊富です。食物繊維には水溶性、不溶性がありますが、グリーンピースに多く含まれるのは後者。不溶性食物繊維はそのまま腸に届くので、腸内環境を整えるのに良いと注目されています。

 腸内環境を整えると、免疫力もアップします。季節の変わり目で風邪をひきやすい、花粉症などのアレルギー症状がある、といった子どもたちは積極的に摂取するといいですね。

鍋1つで簡単にできる「鶏肉とグリーンピースの煮込み」
鍋1つで簡単にできる「鶏肉とグリーンピースの煮込み」

 今回はそんなグリーンピースを使い、鍋1つで簡単にできる主菜「鶏肉とグリーンピースの煮込み」を紹介します。

 イタリアの農家や家庭菜園を持つ人はグリーンピースをたくさん作り、食べています。その時期に食べるだけでなく、1年分を冷凍保存するほどです。

 「嫌いな食べ物」の上位に挙げられることもありますが、旬のグリーンピースは、彩りを鮮やかにしてくれるのはもちろん、料理に自然な甘さをプラスしてくれます。季節のものは季節のうちに、ぜひ一度お試しください。

【料理家・山内千夏】