「ナポリタン」というパスタを知らない日本人はいないのではないでしょうか? 茹でたスパゲッティをタマネギ、ハムやベーコン、ピーマンとともにケチャップで炒めたこの料理。昔はパスタといったらナポリタン! 喫茶店など、どこでも食べられた手軽なメニューで、懐かしく思う方も多いはず。

 ナポリタンは、ナポリ風の、という意味に訳されます。ところがこのパスタ、ナポリには存在しない、というのは有名な話。本場ナポリの人に「ニッポンのナポリタン」をふるまい、美味しいかどうかを聞いてみるというバラエティ番組がありましたが、ナポリの人々は、ケチャップで真っ赤なこのパスタにびっくり。それもそのはず、ケチャップはアメリカ生まれの食品で、イタリアで使うことは、ほとんどありません。ケチャップの甘さに辟易するナポリの人々が映し出され、とても興味深い番組でした。

始まりは米国 トマト使えず苦肉の策

 では、ナポリタンはどこで作られた料理なのでしょうか? その始まりはアメリカ、という説が有力です。イタリアからアメリカに移住した人々が、トマトソースのパスタを懐かしみ、ケチャップをトマトソースの代用品として作ったパスタが元祖といわれています。

 イタリアでは当たり前のように食べていたトマトが、当時のアメリカではなかなか手に入らなかったことから生まれた、苦肉の策の一品。これが第2次世界大戦後の日本に伝わり、ケチャップで和えたスパゲッティにタマネギ、ハム、ピーマンを加えたオリジナルのレシピとして定着し、今のナポリタンとなったそうです。

ホールトマト缶でも栄養価変わらず

シンプルトマトソースのパスタ

 夏の間のトマトの季節、イタリアの田舎の家庭では1年分のトマトソースを仕込みます。アメリカに移り住んだイタリア人たちが懐かしんだであろう、そんな風景。今回は、日本でも簡単に手に入るホールトマト缶で作る「シンプルトマトソースのパスタ」をご紹介いたします。

 トマトの加工品は、完熟したものを使用して作られているため、栄養価はフレッシュなトマトと大きく変わらないと言われています。ホールトマト缶は手軽にトマトが含むビタミン類を摂取できる優秀な食品と言えると思います。

 また、真夏の野菜というイメージの強いトマトですが、高温多湿を嫌うため、春から本当に暑くなる前の初夏までが旬、とも言われています。旬の食材は、栄養価も多分に含まれていますので、積極的に取り入れたいところ。ミニトマトは、カリウム、ビタミンA、B群、Cを豊富に含みますので、+αして作ると、ボリュームも栄養もアップします。ナポリタン風にピーマンをプラスするとさらにビタミン、ミネラル摂取に効果的。いろいろとお好みの具をプラスして「自分流ナポリタン」を楽しんでください。