夏のおすすめ食材の1つである「ニンニクの芽」。緑黄色野菜に分類され、ニンニクの栄養+βカロテンを多く含みます。

 ニンニクの芽の成分の構成はニンニクとほぼ同じで、体内でビタミンB1と結びついて吸収を助けるアリシンが豊富です。

 アリシンは、ビタミンB1の吸収促進のほか、抗菌作用(食中毒予防)、食欲増進、胃液の分泌促進、タンパク質の消化促進、冷え性の改善、抗ストレスなどの多彩な作用が知られています。

食中毒予防、消化促進作用など

 アリシンは、ビタミンB1と結びつくとアリチアミンという物質になり、安定化します。ビタミンB1は糖質をエネルギーにするときに重要な補酵素ですが、水溶性のため長く体内に貯蔵できません。アリシンと結合したアリチアミンは脂溶性で、ビタミンB1と同様の効果がありながら分解酵素の作用を受けずに血液中で長時間維持されます。そのため、ビタミンB1の効果が持続します。

 ちなみに、ビタミンB1が欠乏すると、疲労、肩こり、筋肉痛、集中力低下、食欲不振、焦燥感、うつ状態、無気力などの症状があります。

 ニンニクの芽は、ニンニクよりも量を多く食べることができるため、1度にとれる栄養素の量も多くなります。βカロテン、ビタミンCも豊富なので、紫外線の強いこの季節にはぜひ食べてもらいたい食材です。

 1990年にアメリカ国立がん研究所が「ニンニクは食物の中では最もがん予防が期待されるほど、強い抗酸化力がある」と報告していますが、ニンニクの芽はそれ以上の抗酸化力が期待できます。国産のものは手に入りにくいですが、見かけたら迷わず購入することをおすすめします。

 今回紹介するのは、「たたき豚肉とニンニクの芽のナンプラー炒め」。豚肉を包丁でたたいてから炒めるので、疲れているときでも食べやすく、ひき肉よりも食べ応えがある1品になります。油も使わずに調理するので、夜遅くなってしまった時の食事にも適しています。ぜひお試し下さい。

管理栄養士・園部裕美