<パフォーマンスアップのための食品の選び方、商品の見極め方(2)>

 今回は、飲料商品の見極め方をお伝えします。

 結論から言いますと、アスリートであっても、普段の水分補給に適しているのは、水またはノンカフェインのお茶(麦茶やほうじ茶)です。

 野菜ジュースであっても、フルーツ100%ジュースであっても、スポーツドリンクであっても、常に飲むものとして選択してはいけません。

野菜ジュース200mlにスティックシュガー5本

 理由は「糖質の量」にあります。飲料の裏の栄養成分表示を見ると「炭水化物」または「糖質」の量が記されています(炭水化物は糖質+食物繊維のことですが、飲料に含まれる食物繊維は記載がない限り0に近いので、ほぼ糖質だと思ってもらって良いかと思います)。

栄養成分表示の例
栄養成分表示の例

 私はいつも、この糖質(または炭水化物)の量をスティックシュガーに換算してみましょうと伝えています。コーヒーなどに入れるスティックシュガーは、1本3g(多いもので5g)です。野菜ジュースの糖質の量は、200mlのサイズで15g前後です。つまり、スティックシュガー3gが約5本分。スポーツドリンクの糖質の量は、500mlペットボトルで25~30gくらいです。つまり、スティックシュガー3gが約9本分となります。

 こう考えると、いかがでしょうか。いくら甘党の方でも、ホットコーヒーにスティックシュガー5本以上入れることはめったにないですよね。

飲み物の糖質は吸収されやすい

 さらに、「飲み物」に溶けている糖質は「食べ物」に存在している糖質よりも吸収されやすい状態になっています。このような甘い飲料を練習後にガブ飲みしたり、練習中に摂ったり、常飲したりするなら、血糖値が上がりっぱなしで炎症が促進される可能性があります。また、血糖値が急激に下がること(急激に上がると急激に下がります)で、だるさ、眠気、集中力が切れる、などの症状が出ます。アスリートが試合中いつでも100%の力を発揮するためには、血糖値のコントロールが重要なファクターとなります。

 含まれる糖質の種類が果糖であったとしたら、ブドウ糖に比べて血糖値は少ししか上がりませんが、中性脂肪合成は促進させ、太りやすくなるという性質があります。そのため、飲料で短時間に大量に摂取することはあまりオススメできません。

 糖質の濃度によって、水分の吸収率が高まるということもありますが、それを含めても甘い飲料を飲むことのメリットの方が少ないと、私は考えています。

 ここでは野菜ジュースやスポーツドリンクを取り上げましたが、飲むヨーグルトやコーヒー牛乳、紅茶飲料、カフェオレ、缶コーヒーなど、さまざまな甘みがついている飲料の糖質の量は必ずチェックするようにしてみて下さい。

 どうしても甘い飲み物を飲みたいときは、全体の量自体が少ないものを選ぶと良いかと思います。表記の単位が100ml中なのか、1本分なのかは、間違いがないように確認しましょう。

黒ごまきなことヨーグルトの豆乳ラテ
黒ごまきなことヨーグルトの豆乳ラテ

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