管理栄養士・尾澤真紀さんのいるジュニア栄養相談室には毎日、ジュニアアスリートが食事や栄養について質問や疑問を持って訪れます。今日来たのは、付属の高校で水泳部への入部が決まった新高校1年生の男子、マナブ君です。

15歳男子、身長168cm、体重60kg

マナブ君は最近、筋肉には長距離選手に向いている筋肉と短距離選手に向いている筋肉があることを知り、魚にも「長距離タイプ」と「短距離タイプ」があるというのをYouTubeで見たそうです。どの魚がどちらのタイプなのか、また食べるならどの魚がいいのか興味が沸いてきたそうです。

相談室ではまず、身長・体重を計測します。

マナブ君の身体データ
15歳男子、身長168cm、体重60kg、体脂肪率15%、種目系別身体活動レベルPAL2.00(筋力・瞬発系)、1日のエネルギー消費量1907kcal

※皆さんもまずは自分のエネルギー消費量を計算してみましょう。今回は、除脂肪体重から推定する国立スポーツ科学センター(JISS)方式で計算しましょう。 詳細はコチラのページへ

赤身魚と白身魚は筋肉が違う

マナブ君 こんにちは。この4月から内部進学で付属の高校への入学が決まりました! これからも水泳を続けるので水泳部に入ります。

尾澤 入学おめでとう! 内部進学だと今までと同じ友達もいるのかな? 新たな出会いもあるから楽しみだね。

マナブ君 それも楽しみです。高校では今までやったことないことにもチャレンジしていきたいです。ところで、この前YouTubeを見てたら長距離選手に向いている筋肉と短距離選手に向いている筋肉があって、魚にも長距離系と短距離系があるって言ってたんですけど、どの魚がどっちなのかさっぱりわからなくて…教えて欲しいです。

尾澤 ほぉ、学習系のYouTubeで勉強してるんだ。確かに、魚は筋肉の種類で大きく持久系タイプ(長距離)と瞬発系タイプ(短距離)に分けられるよ。持久系タイプに多い筋線維のことを「遅筋」、瞬発系タイプに多い筋線維のことを「速筋」というんだ。

下の図を見てね。遅筋は筋線維が赤みがかった色から赤筋ともいわれていて、いわゆる「赤身魚」がこのタイプ。一方の速筋は、筋繊維が白っぽいため白筋ともいわれて「白身魚」がこのタイプとして分類しているよ。

筋線維別の魚の種類
筋線維別の魚の種類

さっきマナブ君が言っていた、長距離系というのが左側の赤身魚だね。カツオやマグロ、アジ、サバ、サンマなどで、特徴としては、移動を長く続ける回遊魚に多いよ。お刺身のカツオやマグロは赤い色をしているでしょ。

マナブ君 確かに、マグロの刺身は赤いですね。

尾澤 もう少し詳しく話すと、マグロやカツオの赤身はミオグロビンという成分によるものなんだけど、ミオグロビンは、ヘモグロビンが運んできた酸素を筋肉中に運ぶ役割をもっています。つまり、ミオグロビンが多い魚は酸素を存分に運べる=持久系というわけです。

マナブ君 なるほど~。回遊魚ってそういう力をもっているんだ。白身魚は、なんで白っぽいんですか。

尾澤 ミオグロビンを多く含んでいないから白っぽく見えているんだよ。

マナブ君 ヒラメやカレイは回遊せず、じっとしているイメージの魚ですもんね。魚のタイプがわかれば難しくないですね。僕は100m自由形が専門だから、タイプでいうと白身魚かな。白身魚を食べると、僕の速筋も増えるんですか?

尾澤 最近は色々と研究が進んできて、スケトウダラの白身魚たんぱく質を継続的にとることで速筋を増やす効果があると言われているよ。ただ、筋肉に酸素を運ぶミオグロビンも練習をこなす上では必要だから、どちらの魚もバランス良くとってくださいね。魚の切り身を焼いたり煮たりしても良いけど、缶詰や練り製品などの加工食品もあるからどんどん取り入れてね。

マナブ君 魚好きとしてはどちらも好きだから、両方食べますし、缶詰は家にあるので割とよく食べます。魚好きとしては1つ魅力を発見できてうれしいです。

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