長年、スポーツと栄養の研究を最前線で行い、多くのスポーツ栄養士を育ててきた早稲田大学スポーツ科学学術院名誉教授の樋口満氏が、元気に快適に過ごすための知恵や心得を紹介するコーナーがスタートします。「体力の正体は筋肉」「女は筋肉 男は脂肪」「スポーツする人の栄養・食事学」(いずれも集英社新書)の著書から内容を一部抜粋し、お届けします。

健康体力を保ちながら生活するためには、筋肉が必要。そもそも「体力とは何か」を改めて定義し、下半身と体幹の筋肉を鍛えることが重要だとしています。また、体力・運動能力には男女差がありますが、性別によって健康寿命を延ばすための運動と食事のポイントも違うようです。

アスリートだけでなく、一般の方にとって参考になる情報が満載です。

※当コーナーでの掲載は、著書の一部抜粋です。書籍は各書店で発売しています。

体力の正体は筋肉
いまやスポーツジムのメインの利用者はシニアと呼ばれる世代だ。彼らは有酸素運動だけでなく負荷をかけたマシン運動も精力的に行うが、自己流の誤ったトレーニングで故障や不調を生ずる人も多い。しかし、シニアにとって、体幹と下半身の筋肉トレーニングは、自立した健康な生活を送るために必須なものである。そのために、誰でも簡単に自宅でもできる「ローイング」という最強のトレーニング法を紹介する。さらに、体力とはなにか、体力をつけるのに筋肉はなぜ重要なのか、筋肉にとって最適な食生活についても啓蒙する。 

女は筋肉 男は脂肪
日本人の体力は、20年前に比べて60歳代から70歳代の男女ともに右肩上がりで向上している。しかし、かかりやすい病気や死因はもちろん、筋量、持久力、柔軟性、脂肪量など男女の間には多くの差異がある。本書では、科学的な根拠をもとに、男女別の運動法や食事術を紹介する。今、気にすべきは女性は<筋肉>をつけることであり、男性は<脂肪>を減らすこと。その理由とは何か。筋肉を増やす運動・内臓脂肪を減らす運動、そして健康効果を高める栄養と食事パターンも詳細に解説する。

スポーツする人の栄養・食事学
「スポーツ栄養学」は30年ほど前から著しく進歩し、食事の質や摂取の仕方によって、コンディションやパフォーマンスに大きな違いが生じることが明らかになった。競技種目や年齢層、性別はもちろん、練習期、試合前日、試合当日、試合後、減量中、増量中、ケガからの回復期などで、とるべき食事や栄養のタイミングはすべて異なる。プロアスリートだけでなく、ジュニアからシニアまで、よりよい結果を出すための栄養・食事術をQ&A形式で詳細に解説する。