11月は寒暖差も大きく、体調管理に気をつけたい時期です。ハヤタは今月末に行われるテニスのジュニア公認大会に向けて練習が本格化しており、体調をキープするためにいつもに増してご飯を食べるようになっています。

妹のエミは毎年、季節の変わり目に風邪をひいてしまうため、ヨウコさんは好き嫌いの多いエミでもバランスの良い食事をおいしく食べてもらえるよう、何をどう食べさせたらいいか、常に考えています。キュウジさんはランニングや軽いトレーニングが習慣化してきて、良いペースで減量ができています。

11月の明日山家は、季節の変わり目に体調を崩さないよう、疲労回復と腸内環境の改善がテーマ
11月の明日山家は、季節の変わり目に体調を崩さないよう、疲労回復と腸内環境の改善がテーマ

体調を崩さないための食事のポイント

疲労回復

体調を崩さないためには、運動による疲労をいち早く回復させることです。練習などで消費した栄養素や溜まった疲労物質は、その日のうちに補給やケアをする必要があります。食事による疲労回復へのアプローチとしては、大きく分けて2つの方法があります。

(1)体内にエネルギー源を速やかに補給する方法

まず、エネルギー源である糖質(ご飯、パン、麺など)を摂取します。糖質を体内に吸収させ、エネルギー源に変えるときに必要なビタミンB1(豚肉、ウナギなど)を主菜(おかず)に加えます。さらに、ビタミンB1の働きを高めるアリシン(ニラ、タマネギ)なども一緒にとれるようにします。

(2)活性酸素を相殺する抗酸化物質を摂取する方法

激しい運動や紫外線をたくさん浴びるアスリートは、活性酸素が過剰に発生しやすくなります。活性酸素が過剰になると細胞を傷つけ、疲労や免疫力低下の原因になります。この活性酸素を相殺してくれるのが抗酸化物質です。

抗酸化物質は野菜や果物のほか、肉や魚からも摂ることができます。肉では、鶏むね肉に多く含まれるイミダペプチドが有効です。

イミダペプチドは一度、体内でβアラニンとヒスチジンというアミノ酸に分解されて、脳に運ばれます。脳内で再びイミダペプチドに合成されて、そこで抗疲労効果を発揮します。つまりイミダペプチドは、脳の疲れを軽減させる効果が期待できるのです。そのためには、1日100g程度の鶏むね肉を摂ると良いと言われています。

魚では、サケに含まれるアスタキサンチンが強力な抗酸化作用を持ちます。水溶性と脂溶性の両方の特徴を持つアスタキサンチンは、細胞膜を通過し、細胞の中心から表面全体で抗酸化能力を発揮します。

また、脳血管関門や血液網膜関門を通過できることから脳疲労や眼精疲労の軽減も期待できます。これらの関門はビタミンC、ビタミンE、βカロテンが通過できないことから、アスタキサンチンが他の抗酸化物質よりも強力だと言われるゆえんです。アスタキサンチンを含むサケ、エビ、タラコなどを意識的に摂るようにしましょう。

腸内環境を整える

風邪をひきにくい体にするには、免疫細胞の約7割が存在する腸内の環境を整えることが重要です。そのため、発酵食品(ヨーグルト、チーズ、みそなど)や海藻(ヒジキ、ワカメ、モズク)、野菜、果物を毎日摂ることを心掛けましょう。

今回は、これらの栄養素をふんだんに詰め込んだ「疲れスッキリ!秋色弁当」を紹介します。鶏むね肉とサケをたくさん使い、野菜や海藻もたっぷりのお弁当になっています。ハヤタのごはんの量は300g(糖質を摂取)。その上にヒジキ鶏むね肉そぼろとサケフレークをぎっしり敷き詰めています。

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