食で人と体は変わる。ボクシングの日本女子アトム級4位の伊賀薫(29=真正)が自身の「食」を語った。健康のため始めたボクササイズからはまって、プロデビューまでいたったボクシング。減量、体の維持がマストの競技で料理にも磨きをかけてきた。

昨年に東洋太平洋タイトルに挑むも敗れたが、今年4月にも日本タイトル挑戦が計画されている。

4月のタイトル戦に挑む日本女子アトム級の伊賀薫(左)
4月のタイトル戦に挑む日本女子アトム級の伊賀薫(左)

数年前、普通に都会にあこがれて出てきた島根出身の女性だった。島根県の浜田商を卒業した伊賀は、新たな可能性を求めて神戸に出てきた。社会人としてなまっている体を動かすために始めたのがボクササイズ。その指導を受けていたトレーナーが、真正ジムと関係があり、興味本位でボクシングの世界に入った。

「自分がチャレンジしたいと。人生勉強のためにと入門しました」。当時の仕事はスポーツクラブのトレーナー。周囲の誘いもあってプロテストを受け、19年2月にプロデビューを飾った。

「途中からは自分がはまってしまいましたね」。体を作る楽しみにも気づいた。「太りやすいタイプ」というが、体重制限があるボクシングという競技の中で自然と学んでいった。自堕落な生活の時は最大56キロもあった体重だが、ボクシングを始めて平常から47~48キロをキープするようになったという。

伊賀選手の朝は和食。鶏ささみのショウガ焼きをメインに、しっかり食べる
伊賀選手の朝は和食。鶏ささみのショウガ焼きをメインに、しっかり食べる

こだわりは朝ごはん。3食の中で、最もしっかり食べるのを朝食にした。「朝=和食。卵焼きは絶対です。朝はしっかり食べて昼は軽め、夜も9時以降は絶対に食べないようにしました」。食材にもこだわる。肉食中心だが豚か鶏。栄養素を考えて取り入れ、大好きな菓子パンやクリーム、メロンは極力控える。

伊賀選手の夕食。基本、卵焼き(だし巻き)はマスト。メインは大根と牛すじのたき物
伊賀選手の夕食。基本、卵焼き(だし巻き)はマスト。メインは大根と牛すじのたき物

伊賀選手の昼食。クロワッサンを使った「エッグベネディクト」風
伊賀選手の昼食。クロワッサンを使った「エッグベネディクト」風

学生時代は陸上の中距離選手。専門は1500、3000メートルで浜田商2年の時に全国都道府県対抗女子駅伝のメンバーに選ばれたこともある。「スタミナ、体力には自信があります。その特徴を生かして、必ず世界のベルトをとります」。

焼き鳥を楽しむ伊賀選手。栄養素を考え、肉は豚か鶏に
焼き鳥を楽しむ伊賀選手。栄養素を考え、肉は豚か鶏に

一見、ギャル系の美人ボクサー。その裏側には、しっかりした食生活を含めた人生観がある。世界へ。大きく羽ばたく2022年を迎えた。【実藤健一】

猫のニーナちゃんと過ごす時間はくつろぎのひと時
猫のニーナちゃんと過ごす時間はくつろぎのひと時

◆伊賀薫(いが・かおる)1992年(平4)8月24日、島根県浜田市生まれ。健康目的でボクササイズに通い、誘いを受けてボクシングの道へ。19年2月にプロデビュー。戦績は5勝2敗1分け。身長160cmの右ボクサー。昨年8月に東洋太平洋ライトフライ級に挑戦も判定負け。