最近は、スーパーでも質の良い羊肉が手に入るようになりました。以前は独特な臭みを消すためか、濃いタレに漬け込んで冷凍されたものが多く流通していましたが、現在は真空パックされて鮮度が保たれたラム肉や、凍結寸前の温度で保存するチルド技術の進歩によって、生ラムも流通するようになりました。

アスリートが注目すべき栄養素が豊富

羊肉は、タンパク質・鉄・亜鉛・ビタミンB12が豊富で、他の肉類に比べてn-3系多価不飽和脂肪酸も多く含むなど、アスリートにとって注目すべき点が多々あります。

鉄は、全身に酸素を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となります。亜鉛は細胞の生成やタンパク質の合成に関与し、ビタミンB12は神経細胞の維持と生成に不可欠です。n-3系多価不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす働きをします。

また、脂質代謝に関与するL-カルニチンも多く含んでいます。L-カルニチンには、体内の脂肪を燃焼してエネルギーに換える働き、新陳代謝を促して冷えを防ぐ働きがあるため、羊肉は寒い季節にカラダを温めてくれる効果が期待できると言えます。

クセ少ないラム肉、きれいな色を選ぶ

羊肉の初心者は、生後12カ月未満(フランスでは300日)の仔羊の肉、「ラム」がクセが少なく食べやすいでしょう。永久歯が生え出す生後1年以上の羊肉は「マトン」と呼ばれます。

購入する際は、脂身が真っ白で、赤身の部分がきれいな赤色や淡いピンク色をしているものを選び、赤黒くなっているものは選ばないのがポイントです。また、ドリップが出ていたり、ドリップシートが血汁だらけになっているものも避けましょう。

写真は「フライパンで作るラムチョップ」です。ラムチョップとは、あばら骨ごとに1ピースずつ切り離したラムのロース肉のこと。ロース肉は柔らかくておいしいものの、脂身が気になる場合はその部分を食べないという選択肢もあります。

おいしく焼くコツは、焼く前に常温に戻しておくことと、焼き過ぎないように注意することです。オーブンで作る場合は200℃で20分くらいが目安です。

付け合わせはブロッコリー、焼きミニトマト、焼きチーズでクリスマスカラーに仕上げました。食卓が華やぐ一品、クリスマスにもいかがでしょうか。

管理栄養士・石村智子