先日、パーソナルサポートをしていた高校生ラグビー選手の卒業ミーティングを無事、終えることができました。「増量」と「ケガをしにくい体作り」のために、毎日の食事を「食事の基本の形」に整えること、主食の量や主菜の質、補食について、体組成をモニタリングしながら、ご家族と共にサポートを続けてきました。

結果として、体組成が大きく変わったこと、大きなケガがなかったこと、そして志望の大学でラグビーを続けられると決まったことは、私にとってもとてもうれしいことでした。

親元から通学している学生アスリートの「食事」は、言うまでもなくご家族の支えが必要ですが、ご夫婦共に仕事をしている場合は、買い物や食事作りの時間の確保など、大変なことも多いと思います。

アスリートフードの1つ目のポイントは、1回限りの完璧な1食よりも、100点満点ではなくても毎日継続すること。2つ目のポイントは、各家庭で続けられる方法やメニューを考えることです。

この選手のご家庭では、お母様が食事を作れない時は、お父様やお姉様が担当されていました。そして、鍋料理の活用です。

この選手のご家庭が実際に作られた鍋料理の数々
この選手のご家庭が実際に作られた鍋料理の数々

多くの野菜を主菜と一緒に食べられる

短時間で調理可能な鍋料理は、卓上で調理しながら食べることもできるお役立ち料理です。主菜と副菜が一緒に摂れる一方で、余分な脂質摂取は控えられます。野菜の種類や量もたくさん摂りやすく、シメにうどんやご飯を加えれば、主食も摂れます。

野菜の摂取目標量は1日350gですが、食事記録を拝見していると摂れていないご家庭が多いように思われますので、ぜひ鍋料理を活用しましょう。

写真は「野菜たっぷりしゃぶしゃぶ」です。肉は赤身を選び、肉の量より明らかに多い量の野菜を準備すれば、重量を量らなくても摂取目標量はクリアできると思います。

また、水溶性ビタミンや熱に弱いビタミンの損失が少なくなるよう、サッと火を通して食べられるように、薄くスライスしたり、ピーラーを使用したりと切り方を工夫することもおすすめします。

管理栄養士・石村智子