アスリートの食事を考える上で、「野菜は1日の摂取目標量の350gを摂る」のがポイントです。家庭での食事作りでは通常、野菜はトマト1個、キュウリ1本などと数え、重量の感覚はあまりないのではないでしょうか。350gの野菜が一体どのくらいなのかを把握するために、ご自宅で一度、しっかり計ってみるといいと思います。

約3分の1は緑黄色野菜で

 また約3分の1、120gは緑黄色野菜で摂ると良いと言われています。

 緑黄色野菜とは、原則として可食部100g当たりのカロテン含有量が600μg(マイクログラム)以上の野菜の総称。ホウレン草、小松菜、ニンジン、カボチャ、アスパラガス、オクラ、カブの葉、大根の葉、春菊、セリ、サラダ菜、万能ネギ、パプリカ、ブロッコリー、チンゲン菜、大葉、サニーレタスなどがそれにあたります。

 トマトやピーマンなどは規定量以下ですが、食べる回数や量が多いため、緑黄色野菜に分類されているものもあります。カロテンは体内の活性酸素を減らす抗酸化作用があり、βカロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。緑黄色野菜はカロテン類のほか、ビタミンC、ビタミンK、葉酸、ミネラル類を多く含んでいます。

 サラダなどの生食では、加熱すると壊れやすいビタミン類を効率よく摂取できますが、カサがあってたくさん食べることができません。加熱してカサを減らす食べ方と、両方の調理法で摂ると良いでしょう。食欲がないときなど目標量をクリアできないときは、緑黄色野菜をたっぷり加えたスムージーや野菜ジュースにするといいですね。

 写真は「スキムミルク入りピーマンの肉詰め」です。ピーマンの重量は、1個30~45g程度です。肉詰め料理は、タンパク質を多く含む肉類と一緒に野菜が摂りやすく、野菜の苦手な方も食べやすい調理法です。

 また、スキムミルクを加えるとカルシウムを強化でき、牛乳の苦手な方にもおすすめです。お弁当にも利用できます。ぜひお試しください。

管理栄養士・石村智子