最近はココナッツオイル、アマニ油、エゴマ油など「油」が流行っているようですが、今日は「エゴマ油」とその使用法についてお話しします。

 「エゴマ」はシソ科の植物で、「エゴマ油」はその種子からつくられた油。体内で生合成されないため、食物から摂る必要がある必須脂肪酸、α-リノレン酸を豊富に含んでいます。このα-リノレン酸は体内に入ると、一部がDHAやEPA(「魚も食べよう! スポーツとEPAの関係」を参照)に変わります。

商品選びは表示を確認

 2015年版の日本食品標準成分表によると、「エゴマ油」の可食部100g当たりのα-リノレン酸は58gとなっていますが、商品によってはその値に達していないものもあるので、表示を確認して選ぶと良いでしょう(α-リノレン酸の表示義務はありませんが、含有量がクリアしている商品は記載してあるものが多いと思われます)。

摂取量は小さじ1杯

 「エゴマ油」はn-3系脂肪酸で、日本人の食事摂取基準2015年版によると、n-3脂肪酸の摂取目安量は15~17歳男性は2.3g/日、女性は1.7g/日です。「エゴマ油」としては男性は1日に小さじ1杯程度、女性は1日に小さじ1杯弱とすると良いでしょう。

 小さじ1杯は約37kcalあります。通常の食事に加えて摂取すると、脂質全体の摂り過ぎにつながる可能性があるので、例えば、サラダを食べるならば、市販のドレッシングにプラスするのではなく、エゴマ油を使用してドレッシングを作ったり、ポン酢など油を使っていない調味料に足したりするなどの使用法をお勧めします。

 納豆や冷奴にかけて使う時は、他の料理の油の使用料を減らすようにします。また、脂肪酸は魚介類、肉類、植物油脂など色々なものからバランスよく摂取しましょう。

酸化しやすいので加熱しない

 「エゴマ油」は熱に弱く酸化しやすいので、生食で使用し、冷暗所で保存、なるべく早く使い切れるサイズを選びましょう。購入する時も酸化に対して考慮された箱入りのものや有色瓶のものを選ぶと良いでしょう。

イカと彩り野菜のマリネ
イカと彩り野菜のマリネ

 写真は「イカと彩り野菜のマリネ」です。マリネ液にエゴマ油とビタミンCを多く含むレモン果汁を使用しています。イカはタンパク質、ビタミンE、ビタミンB6・B12などが多く含まれています。副菜としてもたっぷりの野菜が摂れます。暑い季節には、冷製で酸味をきかせた料理を献立に加えると食欲を増進させてくれるので、ぜひお試しください。