最近では、プロのアスリートだけではなく、ジュニア期の選手も海外の大会で経験を積むことが増えてきていました。保護者や栄養士が帯同することはほとんどないので、大概、選手自身が食事を選び、練習や試合の準備をすることが多いと思います。その時の失敗や成功は今後の糧となり、これからの競技人生に役に立つことが多いと思います。

仲間との共同生活、外国の選手とのコミュニケーションもよい経験になることでしょう。ただし、このような状況で何をどのタイミングで食べるのかは競技に大きな影響を及ぼします。事前の準備が大切ですし、それをいつもと違う環境でも応用できるようにしておきたいものですね。

今回は、海外遠征時の事前準備で大切なポイントを3点お伝えします。

1、食事のスケジュールや傾向を確認

食事の時間や場所、メニューを調べておきましょう。海外では食材や調理法、味が普段と変わり、食事量が十分にとれなかったり、逆に食べ過ぎたりすることがあるかもしれません。

2、不足しやすい食材や栄養素を予測

食事内容がわかれば、普段の食事と比べて「野菜の量が少なくなりそう」「油の多いメニューが続きそう」など把握することができますね。例えば、野菜が不足すると便秘になりやすいなら、乾燥野菜を持参する、サプリメントを利用するなど対策をとることができます。傾向と対策を考えておきましょう。

その際、栄養士に相談できると安心です。また各国の食文化や衛生事情も調べておきましょう。

3、日本から持参するものをリスト化

数日間なら乗り切れても、数週間から数カ月の長期滞在だったり、国や地域を移動する状況だったりすると、日本食や食べ慣れたものが恋しくなります。補食もバナナなどの果物や果汁などは比較的に手に入りやすいものの、国内でしか販売されていないお好みのエネルギーバーやスポーツドリンクなどは手に入れることは難しくなります。

このような時のために、パックやフリーズドライなどの白米や炊き込みご飯、フリーズドライのみそ汁やふりかけなどを持参しておくと安心です。油が多い料理が続く、食事量が確保できないときも、主食をパンやパスタではなくご飯にするだけで、脂質の摂取量がコントロールできます。上手に利用してコンディション管理をしましょう。

最初はうまくいかなくても、海外経験が増えて経験値が上がってくると、それぞれの国の特徴もわかるようになり、自分の対処法も身に付いてきます。帰国したらすぐに振り返りをして、次回以降の海外遠征に備えていきましょう。海外でも力を発揮できるように、普段から食生活を充実させ、コンディションに合わせて食事管理をしていくスキルを磨き上げていきましょう。

今回のレシピは「焼きワンタン」です。餃子を作るより簡単にできます。

このレシピでは豚ひき肉にネギとショウガを合わせていますが、具材もアレンジできます。焼くのではなく、ゆでてポン酢を合わせたり、スープに入れたりと、調理法を変えるとバリエーションも広がりますよ。

食べる個数でコンディション管理もできます。是非お試しくださいね。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子