引退したアスリートから、「現役中に屋外で競技をしていたから、シミやシワが増えてしまった」といった話を聞きました。シミやシワは加齢による老化現象だけでなく、紫外線の影響もあります。顔だけでなく、肩や腕にも表れるので、特に女性は気になります。

年間を通して紫外線を浴びながら練習や試合を行う屋外競技の選手は、現役時代からスキンケア対策を意識した方が良いでしょう。特に5月から10月は紫外線が強く、外気温も高くなるため、発汗量も多くなります。この時期、どんな対策をとればいいのか、考えていきましょう。

1、日焼け止めやウエアで皮膚を保護

まずは、日焼け止め化粧品をしっかり塗り、UVケアをしましょう。ウエアで防ぎきれない顔や腕などは、SPF(※)の高い日焼け止めを使うと良いでしょう。外気温が高いと、日焼け止めが汗で流れてしまうので、こまめな塗り直しも必要です。使用感を元に、乳液タイプやスプレータイプなど自分の好みに合わせて準備しましょう。

着用が可能なら、直射日光を避けるため、通気性の高い紫外線予防のウエアを利用しましょう。ストレッチやアップの際は着用し、本練習の際は脱ぐなど、適宜調節できるといいですね。

2、新鮮な野菜や果物からビタミンCを

日焼けなどで体がストレス状態にさらされた場合、普段より多くのビタミンCが必要になります。一般成人において、1日に必要なビタミンCは100mgと言われていますが、日頃から運動量やストレス状態が高いアスリートはさらに多くの量が必要です。

ビタミンCを多く含む野菜は、パプリカやブロッコリー、ピーマン、イモ類など、果物では柑橘類、イチゴ、キウイなどがあります。ただし、ビタミンCは水溶性ビタミンなので、長く体にためておくことができません。3食の食事や補食でこまめに補給することが大切です。

ビタミンCは水に長時間さらしたり、加熱料理などの加工処理をしたりすることで流れ出てしまいますし、採ってから時間がたてばたつほど、栄養価が落ちてしまいます。できるだけ新鮮なうちに、そのままの状態で食べるのが、ビタミンCを上手に摂るコツです。例えば、ミニトマトや季節の果物は洗ってそのまま食べられます。果物は糖質も多く、エネルギー補給もできます。

3、肌のターンオーバーを助けるのはナイアシン

皮膚の表皮は一定期間で生まれ変わります。これを「ターンオーバー」といい、この代謝サイクルは28日から56日と個人差や年代で変わります。

ターンオーバーがうまくいかないと、シミやシワ、くすみの原因になりますが、この働きを正常に保つのがナイアシンです。ナイアシンはカツオやマグロ、ナッツ類に多く含まれるので、これらの食品を意識してとることもいいですね。

ただし、肌の状態を決めるのはこれらの栄養素だけではなく、エネルギー状態や栄養素が総合的に関わっています。様々な食品からの栄養補給を基本に考えましょう。

今回紹介するレシピは「イチゴのクリームチーズサンド」です。生クリームではなく、クリームチーズを使って低エネルギー、低脂肪としているので、アスリートの練習前後の補食やランチの主食としてもおすすめです。

イチゴはビタミンCが豊富で、6~7個食べると1日に必要なビタミンC(100mg)をクリアできるとされています。イチゴ以外のお好みの果物やジャムを組み合わせれば、様々なバリエーションが楽しめます。水切りヨーグルトでもおいしくできるので、是非お試しくださいね。

※SPF=「Sun Protection Factor」の略で、短時間で肌を赤くしたり、黒くするUV-B(紫外線B波)の防止効果を示すもの。SPFの数値は、日焼け止めを塗った場合、塗らない場合に比べて何倍の紫外線を当てると、翌日に肌が赤くなるかを示すもので、その値は2〜50、50以上とあり、数値が大きいほどその防止力が高まる。50以上は「50+」と表示される。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子