1日のスタートを気持ち良く切るためには、朝食をしっかり食べることが大切です。朝食を食べることで体内リズムが調節されます。

新生活を迎え、通学や朝練のために起床時間が早くなったり、1人暮らしを始めて自分で朝食を用意する必要があったりと、生活リズムが変化した選手も多いことでしょう。忙しさや少しでも睡眠をとりたい気持ちから朝食を抜いてしまうと、午前中のエネルギー切れを起こし、集中力が低下するだけではなく、筋肉も減少してしまうという研究結果もあります。

これまでも朝食の重要性についてお話ししてきましたが、今回は、朝食でとりたい食品の組み合わせについて復習していきましょう。

炭水化物はマスト

主食
炭水化物(糖質)は人にとって、頭と身体を動かすための「ガソリンの役割」を持っています。朝食で炭水化物が多く含まれる食品をとることで、午前中のエネルギーチャージができ、活動的に過ごすことができます。これらのことから、ご飯やパンなどの主食は抜かずに、午前中の活動量に合わせた適量をとりましょう。

時間がない時は2回に分けて食べる、シリアルやバナナを組み合わせるなどしましょう。もちろん、成長期のアスリートはこれだけでは足らないので、授業の合間などに補給できるなら、補食で炭水化物を摂りましょう。朝練がある場合は朝練後にも、運動で消費されたエネルギーをおにぎりなどで補い、午前中の授業に備えることが大切です。

タンパク質を組み合わせる

主菜
タンパク質は筋肉の構成成分や、酵素やホルモンの成分になる栄養素です。タンパク質が多い食品には代謝に関与するビタミンB群も含まれるため、必ず「炭水化物とセット」でとり、早期の疲労回復に努めましょう。

昼食と夕食のおかずで肉や魚が多い場合は、朝食では卵料理や納豆などの大豆製品にすると、1日で様々なタンパク質源がとれます。朝食で何を食べるかは、大体固定しておくと考える手間を省くこともできますね。

ビタミン・ミネラルをプラスしてベストに

ご飯やパンなどの炭水化物に、卵や納豆などのタンパク質を組み合わせたら、あとは副菜や果物、乳製品をプラスすればベストな朝食になります。

副菜
野菜を含む副菜は、具だくさんのみそ汁や作り置きの野菜スープなど、汁物にすると食べやすくなります。作る時間がないとう時は、フリーズドライの市販のスープに、乾燥野菜やワカメ、冷凍野菜をレンジで加熱して添える形でも良いでしょう。簡単に使えるアイテムを賢く利用しましょう。

果物
季節の果物は炭水化物もビタミンも補給できます。特にバナナは1年を通して手に入りやすいので、常に買い置きがあると安心です。その他、季節ごとに旬がある果物を楽しみながら、ビタミンCを補給しましょう。

乳製品
昼食で学校給食がなく、牛乳を飲まない場合、朝食で牛乳やヨーグルトといった乳製品をとり、カルシウムを補給しましょう。毎朝コップ1杯、牛乳を飲むなど、できることをルーティンにすると良いでしょう。

このように朝食の栄養バランスを整えると、1日に必要な栄養素が整いやすいことが分かると思います。1日を通して良いコンディションを維持するには、朝、単に何かを口にするのではなく、栄養をしっかりとれる組み合わせを考えるのがポイントです。これを毎日続けることで、パフォーマンスの向上につながります。

今回紹介するのは、1品で炭水化物とタンパク質が補給できる「たまごチキントースト」です。ゆで卵、サラダチキン、ブロッコリーを胚芽パンにのせて、チーズをかけてトーストするだけ。具材は事前に準備しておいても、市販や冷凍のものを使っても良いでしょう。

チーズでカルシウムを、胚芽パンとブロッコリーで食物繊維が補給できます。忙しい朝に、効率よく栄養価をアップしましょう。

女子アスリート/管理栄養士・上木明子