突然ですが、アスリートや保護者の皆さん、野菜はどのくらい食べていますか?

健康づくりのために、野菜摂取量は1日350gが目標値として定められています(注1)。しかし、最新のデータでは日本人の1日の野菜摂取量は平均で270.3gとなっており、ここ10年で男女とも減少していることが分かっています(注2)。不足分について単純に計算すると、1日に80g程度野菜を増やすことで、350gを達成できることになります。

1日350gまで80g程度足りない

ここで知っておいていただきたいのが、副菜として食べる小鉢やサラダがだいたい70g前後だということ。ということは、1日にあと「プラス1皿」で野菜摂取の目標量を達成できるのです。「プラス1皿」と考えると頑張れそうな気がしませんか?

270gはあくまでも平均値なので、食が細い人、そもそも野菜が苦手で避けているという状況の人はさらに野菜摂取は少ないと思います。そんな人もまずは「プラス1皿」から始めてほしいです。

アスリートは健康づくりにとどまらず、パフォーマンス向上やコンディションの維持のために野菜(副菜)が重要なことはこれまでも紹介してきました(参考:おろそかになりがちな副菜や果物、食べるべき理由と意識づけのポイント)

野菜が重要ことは分かっていても、なかなか手が回らないという方には「常備菜」をおすすめします。

気負わない「常備菜」の作り方

常備菜とは、つまり「作り置き」のことです。作り置きというと、週末におかずを数種類作り、冷蔵庫いっぱいに保存容器を入れる…という様子を想像する人がいるかもしれませんが、そんな必要は全くありません。

特に、アスリートの保護者の皆さんは週末、試合やトレーニングに合わせて食事の準備や応援に大忙しで、とても作り置きどころではありませんよね。なので、気負わずに平日ちょこっと、短時間で作ることができる「常備菜」にチャレンジしてみませんか。

まずは、野菜の品数が少なく簡単なものから始めましょう。冷蔵庫においしい常備菜が1~2品あると安心感が違います。

例えば、今までは野菜のなかった朝食に「プラス1皿」とするだけで、野菜の摂取量が変わってきます。常備菜で栄養と彩りを加えて、コンディション維持に努めましょう。

今回紹介するレシピは「カレー風味のキャロットラペ」です。このレシピではひよこ豆とレーズンを加えていますが、基本的にはニンジンがあれば作れます。カレー風味にすることで、食欲が沸いてきて、思った以上にニンジンをたくさん食べることができますよ。

彩りもキレイなので主菜の添え物としても万能ですし、サラダチキンと一緒にサンドイッチに挟んだり、肉巻きの具材にしたりと活用の幅が広いのもポイントです。包丁も火も使わずに作れるので、子どもたちと一緒に作るのも楽しいですよ。

※1=21世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次)):厚生労働省
※2=令和4年 国民健康・栄養調査:厚生労働省

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ