今年も半年が過ぎようとしています。新年度から食トレに励んでいる方、うまく継続できていますか?

食トレが続かない理由に、「『アスリートの基本の食事』を守るのが大変すぎる」と聞くことがあります。アスリートの基本の食事とは「主食+主菜+副菜+汁物+果物+牛乳・乳製品」の6品を揃えること。確かに毎日、毎食揃えるのは、日々を忙しく過ごしている選手や保護者にとって簡単なことではありません。

「主食+主菜+副菜+汁物+果物+牛乳・乳製品」の6品

ではなぜ、この基本の食事の形が良いとされているのでしょうか。

そもそもの考え方は、「炭水化物(糖質)」「タンパク質」「脂質」「ビタミン類」「ミネラル類」の5大栄養素を、選手にとって過不足なく摂りましょうということです。例えば、「炭水化物は1日に〇〇グラムとりましょう」と言われても、栄養士でない限り「どうすればいいのかわからない」となるのが関の山です。それを食事(献立)としてわかりやすくするために、「アスリートの基本の食事」の形があるのです。

この形を守っておけば、必要な栄養素をまんべんなく摂ることができます。選手のエネルギーやタンパク質の必要量は、年齢や種目、運動強度によって変わってくるので、アスレシピのコラムやセミナーでも確認してみてくださいね。ある程度の量として、「ご飯は1食〇gぐらい」「主菜に使う肉は〇gぐらい」と把握しておけばいいでしょう。

必要な栄養素が必要分とれればよい

ということは、アスリートの食事で一番大切なことは必要な栄養素が入っているかどうかであって、「6皿を揃えなければならない」ということではないのです。牛丼は「ご飯」と「肉」が入っているので1皿で「主食と主菜」になりますし、クリームシチューは「肉」「野菜」「牛乳」が入っているので1皿で「主菜と副菜と乳製品」となります。

そう考えると、たくさんの品数を作ることが大変だと思っていたみなさんも、少し料理が楽になりませんか? 「アスリートの基本の食事」の形をアレンジさせながら、気軽に取り組んでいきましょう。

ワンプレートに盛り付けするときの注意点

品数を揃えることは苦でないけど、お皿が多いのが嫌という人はワンプレートに盛り付けるのもいいですね。ただ、ワンプレートにするとき、1つだけ気を付けてほしいのが、お皿のサイズです。

例えば、1つのお皿に主食・主菜・副菜を盛り付けるとしましょう。いつも主菜を盛り付けているお皿に、主食と副菜をプラスして盛り付けてしまうと、それぞれ必要量を盛ることが難しいかもしれません。それを防ぐためには、もう一回り大きいお皿を使うことをおすすめします。

今回紹介するレシピは「ケチャップでミートソースライス」です。

ミートソースといえば、「合いびき肉」「トマト缶」「パスタにかける」などが頭に浮かぶと思いますが、その考え方を変えて、「鶏ひき肉で」「ケチャップで」「ご飯にのせる」としたアレンジレシピです。この料理も1品で「主食+主菜」が入っています。

今回は楽に作れることを重視して、トマト風味はケチャップだけで作りました。トッピングとしてスライスチーズ、目玉焼きでタンパク質とカルシウムをアップさせています。1皿で手軽に栄養を摂る工夫をしていきましょう。

なお、トマトジュースやトマト缶を使えば、さらにトマトソースらしくなります。トマト感が足りないと思う方は、水をトマトジュースに置き換えて塩、砂糖を少々入れて味を調えてください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・久永まゆみ