「五月病」という言葉があるように、5月は社会的にも環境的にも疲労を感じる条件が揃いやすい時期です。特にこの春進学して部活動を始めたばかりの1年生は心身ともに疲労がたまっています。本人には自覚がないこともあるため、保護者・指導者が気にかけてあげることも大切です。

気候の変化と疲労

暑さが一気に増すこの季節は、体にとても大きな負荷がかかっています。日頃から心身の消耗の激しいアスリートは、その影響を一般の人よりも強く受けやすくなります。この時期の気候変化が体に及ぼす影響は、次の2つです。

①寒暖差が大きく自律神経が乱れやすくなる

急に暑くなったり、朝晩の気温差が激しかったりしても、体内では自律神経が私たちの体調を一定に保とうとしています。しかし、外界の環境変化が激しく、この調節機能がうまく働かなくなると、頭痛や疲労感などのトラブルを起こしやすくなります。

また夏場は体が暑さに順応し、発汗量の増加や体表面からの熱放散によって熱を体外へ逃がして熱中症を予防しています。しかし、この時期はまだ体が暑さに順応しきっていないため、ちょっとした暑さでも体内に熱がこもりやすく熱中症のリスクも増加します。

②紫外線量が増加することで疲労感を感じやすい

体内で疲労物質である「活性酸素」を生み出す紫外線の量は、春先から一気に増加します。活性酸素は激しい運動を行うことでも生み出されるため、紫外線を浴びたアスリートの体内では活性酸素が蓄積し、疲労感につながっていることもあります。屋外での活動が多い競技は、紫外線対策にも力を入れたいですね。

このように、5月は何もせずに過ごしていても疲労がたまりやすい季節です。夏へ向けたトレーニングが本格化していくアスリートはいつも以上に体調管理や体のケアに気を配り、疲労を溜めないよう心がけたいですね。

食欲低下にご用心

疲労がたまると食欲も低下しがちですが、疲労回復のためには食事を抜いたり軽食で済ませたりしないようにしたいですね。食欲不振は胃腸の疲れの表れでもあるため、無理してたくさん食べる必要はありませんが、さっぱりと食べやすいメニューで栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。

今回紹介するレシピは「新タマネギのマヨポンサラダ」です。甘味のある新タマネギのスライスとスライスしたトマトに、かつお節とマヨネーズとポン酢の合わせ調味料をかけるだけ。食欲がない時でもさらっと食べやすい一皿です。

普通のタマネギを使う場合は、水にさらして辛味を抜くと食べやすくなります。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子