「運動前にカステラが良いって本当ですか?」と保護者から質問をいただきました。このように「○○が良いか、悪いか」という質問をいただくことはよくありますが、考える上で大事なことは「何を目的に補食をとるのか」によって、選択する食品が変わるということです。

カステラを例に挙げてみると、栄養成分は以下の通りです。

カステラの原料は、主に「卵、砂糖、小麦粉、はちみつ、ザラメ等」です。油分を使用していないため脂質が低く、消化が良くエネルギーに変わりやすい糖質(炭水化物)が多く、エネルギーも高い食品といえます(エネルギー比率は炭水化物=84%、脂質=14%)。これらの理由から、エネルギー補給をしたい「運動前にカステラはおすすめの食品」となります。

しかし、カステラもメーカーや種類によっては脂質量が多いものもあります。バターをふんだんに使ったカステラの場合、「消化が良く、素早くエネルギーに変わる」という目的から外れてしまうため、おすすめとは言えません。運動前にとるとしても、もう少し早いタイミングでとるなど調整が必要です。

このように同じ食品であっても、目的に合っているかどうかは商品によっても変わります。商品の裏面などにある食品表示を見て、目的に沿ったものを選ぶ力をつけましょう。

補食をとるタイミングは様々なシーンがあります。食べる人の年代や課題、目的によっても何を食べるかが変わってきます。対策の一例をまとめましたので、参考にしてください。

対象者別の補食の目的やタイミング

対象者 課題 目的
小学生 小食で一度にたくさん食べられない
(食事量の不足)
エネルギー補給
(食事回数増やす)
中学生 クラブ活動や塾で夜が遅くなる
(食事時間が遅くなる)
夕食を分食
(食事を分けて食べる)
高校生 朝練で朝食の時間が少ない
(朝食の摂取量不足)
朝食を分食
(食事を分けて食べる)
大学生・社会人 外食が多くなる
(野菜類の不足)
不足する栄養素の補給
(ビタミンA、C、食物繊維)

エネルギー補給=とりたい栄養素は「糖質」

おにぎり、パン、イモ類、餅、果物など
※運動前の短時間であれば、和菓子(団子、餅)、カステラ、バナナ、エネルギーゼリー

分食=1食分を分けて食べること

・朝食…時間がなくても必ずとりたいのはエネルギー源の「糖質」。朝練前は特に重要。たんぱく質やその他の栄養素は、朝練後や移動間に以下の「不足する栄養素」で紹介している食品を参照してください。
・夕食…就寝直前の食事は睡眠の質の低下を招き、リカバリーに影響する可能性もあります。具体的には以下の記事も参照ください。

不足する栄養素=それぞれの栄養素をとりやすい市販食品

・タンパク質…コンビニ商品(チルド加工品、牛乳・ヨーグルト、ゆで卵など)
・カルシウム…牛乳・乳製品、大豆製品(納豆、豆乳、豆腐)、魚缶詰(骨ごと加工されているもの)
・鉄…大豆製品(納豆、豆乳)、レバー焼き鳥、鉄強化食品(牛乳・ヨーグルトなど)
・ビタミンC…果物
・ビタミンA…100%野菜ジュース
・食物繊維…コンビニ惣菜(ヒジキ煮、切り干し大根煮、大豆煮、きんぴらゴボウ)、混ぜご飯(ワカメ、ヒジキ)

補食を自宅で準備できれば良いですが、通学途中や練習場所への移動途中でとる場合は、市販品を選択して購入し、活用する力も大切です。何を目的にとるかで、適した補食の内容や意味合いも変わります。「○○は良いらしい」と耳にしたときも、何を目的にとるかを考えて選択してみてください。

今回紹介するのは「サツマイモプリン」です。糖質豊富なサツマイモを使い、ミキサーで撹拌(かくはん)するだけの簡単レシピです。

濃厚な味わいで、エネルギー補給を目的とする手作り補食として使えます。おいしいサツマイモの季節にぜひ作ってみてください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美