南国・鹿児島はすでに30℃を超える日もあり、強い日差しでジリジリと肌が焼かれます。早くも夏バテになっている方はいませんか?

大量の氷ガリガリは鉄欠乏症貧血かも

発汗量の多い今の季節は、汗によって冬場以上にミネラルが失われます。汗で失われるミネラルというと「ナトリウム」のイメージが強いかもしれませんが、実は「鉄」も失われてしまいます。よく熱中症対策として塩タブレットなどを見かけますが、鉄も失った分を補給してあげる必要があります。

私は高校時代、バスケットボール部に所属していたのですが、一時期、毎日氷をガリガリかじっていました。特においしいわけでもないのですが、親から「やめなさい」と言われてもやめられなかったのを覚えています。

後に、鉄欠乏性貧血の人には、無性に氷を食べたくなる「異食症」と呼ばれる症状があることを知りました。当時は気づいていませんでしたが、おそらく貧血を起こしていたのではないかと考えられます。さらには、多量の氷を慢性的に摂っていたことで体も常に冷えていたのでしょう。夏場は常に夏バテ気味でだるさがあり、頑張りたいのに頑張れないという悪循環に陥っていました。

夏バテ予防には元気な胃腸がカギ

夏バテにならないためには、体内にしっかり栄養を取り入れるために消化吸収力を落とさないことがカギです。消化吸収力を落とさないためのポイントは次の3つです。

①胃腸を冷やさない
②よく噛んで食べる
③消化によい食事を心がける

胃腸は、毎日運ばれてくる食物を懸命に処理していますが、ストレスや冷えに弱く、本来の消化吸収力が発揮できないことがあります。夏場はついつい冷たいものが食べたくなりますが、冷たいメニューには温かい汁物をブラスしましょう。

また、エネルギー量を確保しようと思うと揚げ物など脂質の多いものに頼りたくなりますが、多量の脂質は消化吸収に時間がかかります。バランスよく消化によい食事を心がけ、よく噛んでから胃腸に送ることで負担が少なくなります。

今回紹介するレシピは沖縄でよく食べられている「そうめんチャンプルー」です。茹でたそうめんに、ゴマ油で炒めたタマネギ、ニンジン、ニラなどの野菜やツナ缶と合わせます。

鹿児島にも奄美地方に「油そうめん」という似た郷土料理があります。冷やしそうめんだけでは脂質は摂れませんが、具材と油で炒めることで栄養価がアップします。暑い地方の食べ物には暑さを乗り切るための工夫が詰まっていますね。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子