新年度が始まってあっという間に2週間、新しい環境でお疲れ気味の方も多いのではないでしょうか。今回は忙しい時こそ意識したい「朝食」についてお話しします。

適応の春は自律神経に負荷

「春眠暁を覚えず」というように、春はとても気候がよく、朝ギリギリまで寝ていたい時期ですね。過ごしやすい季節ではあるのですが、冬の寒さから急に暖かくなり、それに適応しようと自律神経には負荷がかかっています。

また、新年度で環境が変わることで精神的にもストレスがかかります。「頑張るぞ」と思っているのに朝起きるのがつらい人は「新年度だからこそ」という面もあるかもしれません。心身の疲れをためないためには、睡眠時間の確保と朝食をしっかり食べることがポイントです。

自分に合った朝食メニューとは

朝からモリモリ食べられる人もいれば、飲み物が精いっぱい…という人もいるでしょう。朝食を摂ることは疲れを予防し、体内時計を調整するためにとても大切ですが、どんな朝食がよいかは人によって異なります。メニューを考える上で外せないポイントは、次の2点です。

①水分を補う(代謝を促す)
②エネルギーを補う(体温を上げる)

「朝は固形物は入らない」という場合でも、温かい牛乳にはちみつを加えて飲むだけでも水分、タンパク質、糖質など最低限の栄養素を補給できます。また、毎日朝から胃腸を温め、動かす習慣をつけることで、徐々に食べられる胃腸になっていきますよ。

Betterの選択で継続する

アスリートの朝食としては上記の2点に加えて、タンパク質、ビタミン、ミネラルも補給できるとなお良いですね。朝からスポーツ栄養の基本のフルコース(①主食②汁物③主菜④副菜⑤乳製品⑥果物の6皿)をそろえられるとBestではありますが、忙しくて難しい場合はBetter(よりよい選択)を心がけましょう。

ジュニア期は食育も意識したい

進学・就職によって親元から離れるタイミングは食習慣が乱れやすく、朝食欠食率が上がりやすくなります。小さいうちから自分でできるものは自分で用意したり、自分の体調に合わせたメニューを選ぶ力を身に着けておきたいですね。

4月にたまった疲れが心身の不調として現れるのが「5月病」です。今年の5月は元気いっぱい過ごせるように食事から疲れにくい体を作っていきましょう。

今回紹介するレシピは「春キャベツとリンゴのコールスロー」です。キャベツとリンゴ、どちらにも消化吸収を助ける働きがあります。程よい甘さと酸味が食欲をそそる1品。作り置きして朝食の小鉢(副菜)としても使えます。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子