季節の変わり目は体調を崩しやすくなります。夏の疲れを秋に持ち越さないためにも、しっかり食べてよく眠りましょう。

さて、成長期の子どもたちは体を成長・成熟させている途上にあるため、大人と比べて体格のわりに多くの栄養素を必要とします。しかし同時に「食が細くてなかなか食べられない」というお悩みもよく耳にします。今回は効率良く栄養を摂るためのコツについてです。

体作りのために意識したい3要素

体作りのために意識したい3要素は次の通りです。

(1)食材のカサを減らす
(2)食べ合わせを意識する
(3)食材をまるごと食べる

それぞれ説明していきましょう。

(1)食材のカサを減らす

「ビタミン補給のために毎食サラダを出しています」という声を聞くことがあります。もちろん、素敵な心がけなのですが、生野菜はカサが大きく見た目ほど量を摂れず、満足感も得やすい傾向にあります。

水菜は生で食べられますが、しゃぶしゃぶにしたり、さっと蒸したりすると、しんなりしてたくさん量が食べられます。千切りにしたキャベツや大根は軽く塩もみすると水分が抜け、塩味がついて食べやすくなります。生で食べてこそ摂れる栄養素もありますが、「サラダでおなかがいっぱい」とならないように気を付けましょう。

(2)食べ合わせを意識する

エネルギー源となる糖質の消化にはビタミンB1が必要です。鉄は吸収率が低い栄養素ですが、ビタミンCを一緒に摂ると吸収率がアップします。このように食品には相性があります。食べられる量が少ないからこそ、食べ合わせを意識して、食べたものをしっかり体に吸収したいですね。

(3)食材をまるごと食べる

栄養素は、食材の捨ててしまう部分にも含まれています。カルシウムは動物の骨に豊富に含まれますが、骨は硬くて食べづらいですね。イワシなどの小ぶりな魚は圧力鍋で調理すると骨ごと食べられます(圧力鍋を使った時短調理については「圧力鍋を使えば牛すじ煮込みが10分、料理時間を短縮する便利グッズやコツ」を参照)

お相撲さんが食べる「ちゃんこ」をイメージしてみてください。鍋で煮込むことでカサを減らし、たくさんの食材を入れることで自然と栄養バランスが整うようになっています。大きな体を作り上げるには効率よく栄養を取り入れることも大切ですね。

今回のレシピは骨ごと食べられる「サバ缶の親子丼風」です。骨強化のほか、筋力・持久力・瞬発力アップに役立ちます。サバやイワシの缶詰は、骨ごと食べられるので手軽でおすすめです。また、野菜もよく洗って皮ごと食べることでより多くの栄養素を摂取できますよ。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子