栄養士をしていると「毎日の食事作りは苦にならないでしょ?」と言われることもありますが、根が無精者の私はできるだけ作業の手間を省きたい派です。今回は、料理の時間を短縮するちょっとしたコツについてお伝えします。便利な調理器具やグッズを紹介しましょう。

圧力鍋

「圧力鍋は持っていません、使っていません」という方も案外多くいらっしゃいますが、料理によっては調理時間も光熱費も半分以下に短縮できる優れものです。鍋の中身に圧をかけることで煮崩れを防ぎ、かたい食材も軟らかく食べることができるため、特に煮込み料理の強い味方です。

例えば、普通の鍋で牛すじを煮込むと2時間程度かかりますが、圧力鍋では10分も圧をかければ、ホロホロに仕上がります。イワシの煮物も骨まで軟らかく食べられるようになるため、素材の栄養を余すことなく摂取することができますよ。

時短グッズとして便利な圧力鍋
時短グッズとして便利な圧力鍋

最近は調理モードが搭載された電気圧力鍋も登場しているため、食材と調味料をセットしてスイッチを入れるだけで簡単に一品作ることができます。従来の圧力鍋の取り扱いが不安、怖いという方にもおすすめですね。

フリーザーバッグ、製氷トレイ

野菜をカットし、肉魚も下味をつけるなど食材の下処理を済ませて冷凍しておくと、調理の手間をぐっと減らすことができます。しかし、冷蔵庫のような開き戸式ではなく、深さのある引き出し式が一般的な冷凍庫は、食材を重ねて収納してしまうと、いざという時に見つからない…下になって忘れていた…ということが起こりがちです。

できる限り立てて収納したい冷凍庫の整理には、フリーザーバッグ(ジッパー付き保存袋)が強い味方です。フリーザーバッグに食品を入れて平らに広げて冷凍し、立てて収納することで次に使う際に使いやすく、見つけやすいストックになります。

最近では、冷凍はもちろん、そのまま湯煎調理も可能で、洗って繰り返し利用できるシリコン製のエコなストックバッグも出てきていますよ。食材によっても、生で冷凍した方がよいもの、ひと手間かけて冷凍した方がよいものありますので、よかったら調べてみてくださいね。出汁やお弁当おかずを小分けにして冷凍できる製氷トレイも蓋つきのものを選んで、平置きして凍らせてから立てて収納すると使いやすくなります。

今回は栄養のお話というより、生活の知恵のような内容になってしまいましたが、このようなちょっとしたコツで日々の生活に少しでも時間的余裕ができるとうれしいです。

今回のレシピはそんな時短を意識したメニュー「圧力鍋で作る牛すじ肉のトマト煮込み」です。かたい牛すじ肉も圧力鍋を使うと短時間で軟らかく処理できますよ。下処理をしてから冷凍しておくと、カレーやシチューなどの煮込みの際にもすぐに使えてとってもおすすめです。

なお、レシピには圧力鍋を使わない場合も載せております。1時間半程度コトコト煮込んでください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子