6月中に異例の早さで梅雨が明けた地域もありましたが、その後もカラッとせず、蒸し蒸しする嫌な暑さが続いていますね。アジア特有の湿度の高い蒸し暑さは、灼熱の赤道直下の国の方々も音をあげるほどだと言われます。連日の猛暑日ですでに夏バテ気味…という方も多いのではないでしょうか。

夏バテとは「身体がだるい・疲れやすい」「食欲がわかない」「よく眠れない」など夏の暑さによる体調不良の総称です。病気ではないものの、放置すると運動パフォーマンスが下がるだけでなく、熱中症や疲労の蓄積によるケガにもつながるため早めに対処したいですね。特にこの夏はコロナ対策や節電要請も相まって、体が疲労を溜めやすくなっています。

夏バテ予防に役立つ食べ物

夏バテ予防に役立つ食べ物を紹介しましょう。

梅干しやレモン(クエン酸)…疲労回復やミネラル(マグネシウム、カルシウム、鉄など)の吸収を助ける。酸味には食欲増進効果も
豚肉やウナギ(ビタミンB群)…タンパク質が豊富な上に糖代謝を助ける作用がある。炭水化物と組み合わせて摂るとよい
ニンニクやニラ(アリシン)…ビタミンB1の吸収を促進する

たくさんの食材を組み合わせる

アリシンがビタミンB1の吸収を助けたり、クエン酸がミネラルの吸収を助けたりするように、栄養素は単体で効果を発揮するものは少なく、それぞれが複雑に作用しあって体によい影響をもたらします。品数が増やせなくても、一品の食材の数を増やすことで栄養バランスも整いやすくなりますよ。

暑いと食欲がわかず、そうめんなどさっぱりとしたものに頼りがちになりますが、そんな時こそたくさんの食材を摂ることを意識しましょう。そうめんでも薬味に刻んだ梅やニラを加えたり、豚しゃぶそうめんにしたりすることで格段に栄養価がアップしますよ。

今回のレシピは、夏バテ予防食材の梅干しとニンニクを使った「スタミナ満点!鶏肉の梅ニンニク焼き」です。梅干しに含まれるクエン酸には菌の繁殖を抑えて食中毒を防ぐ効果もあるため、お弁当にもぴったりの一品です。

食事を整えるほか、お風呂でしっかり湯船に浸かる、適切に冷房を使う、適切に睡眠をとって体を休めるなど、食事面以外の夏バテ対策ももちろん大切です。「だるいなぁ」と感じる前にしっかり体のケアをして夏バテを予防していきたいですね。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子