気温が高く、水分補給が欠かせない時期となってきました。私たちの体の約60%は水分なので、水分不足を防ぐことは身体の機能を維持するためにも重要です。

体の水分は、大きくは細胞内液と細胞外液に分かれます。

細胞内液:主に脳、腸、腎臓、筋肉、肝臓などの臓器・組織中
細胞外液:主に血漿(けっしょう、血液の液体成分)、細胞の周囲を満たす間質液、リンパ液など

水分が不足すると、体には様々な悪影響が生じるので、運動時はもちろん、普段から水分摂取の意識をもって対策することが大事です。

<水分不足で起こる身体への影響>

発汗できなくなくなり、体温上昇を抑制できなくなると熱中症を引き起こす原因になります。
血漿が減少すると、栄養素や酸素をうまく運ぶことができず、体調不良やパフォーマンスの低下にも影響します。
筋肉内の水分が減ると足がつり、疲労が蓄積してパフォーマンスが低下します。
日常的な水分不足によって唾液や消化液の分泌が低下、消化不良となり、食欲が落ちます。そのまま消化力がダウンし、食欲減退が続くと夏バテにつながります。

食事からの水分は飲料と同等量

体の水分出納は以下の通りです(体重70㎏の人の場合)。

水分補給というと飲料での補給を思い浮かべると思いますが、この表を見ると、食事からの水分も飲料と同等量含まれているのが分かると思います。水分は飲み物からだけでなく、食事からも摂取することを意識しましょう。また、表の中では空欄にしている自身の発汗量も加味して水分をとることが重要です。

和食と洋食の水分量の比較

ここで、食事内容の違いによる水分量を比較してみます。食事例1は和食、食事例2は洋食をイメージしています。

食事例1の場合、主食のご飯には60%の水分が含まれており、みそ汁もあるため、全体で440g程度の水分をとることができます。一方の食事例2は、パンは38%の水分しかないため、牛乳で水分を補っているものの、全体で約250gの水分量にとどまっています。

「暑くなって食欲が低下すると、食事がのどを通らない」という声もよく聞きます。そんな時は、スープなどの汁物を一緒にとり、水分を摂ることも大切です。

主食と汁物などの組み合わせ例

食事から水分摂取するための主食と汁物や飲料の選び方、組み合わせ方の例を挙げます。

・ご飯+みそ汁
・パン+スープ+牛乳
・(温)うどん+スープ
・(冷)そば+そば湯(またはお茶)

また、野菜や果物には約90%近くの水分が含まれています。まずはエネルギーや水分摂取が重要ですが、野菜・果物からも他の栄養素と一緒に水分を摂取できるとよいでしょう。

今回紹介するレシピは、「梅干しで手作りスポーツドリンク」です。容器に梅干し、水、はちみつを入れて半日置くだけ。夜仕込んで冷蔵庫に入れておくと、翌朝出来上がっています。

梅の酸味がさわやかで、塩分チャージできます。スポーツドリンクの甘みが苦手な方は、はちみつを調整してお好みの味に工夫することもできます。飲み終わりに食べる梅もおすすめです。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美