今年は、長い夏から短い秋を経て、寒い冬になりそうですね。この寒い冬、シーズンオフ中のトレーニングに励む方、夏場のトレーニング成果を発揮するのを心待ちにしている冬季スポーツに取り組む方と過ごし方は様々だと思いますが、どちらにせよ、パフォーマンスアップにつなげたいところです。今回は、栄養面から「寒さ」と上手に付き合う方法を紹介します。

冬こそ注意したい計画的な水分補給

暑い夏のトレーニング時は、頻繁に水分補給をしたり、体を冷やしたり、注意をしていると思います。夏場に動くと大量の汗をかいたり、喉が渇いたりするので、自分も周囲も注意しやすいですよね。

一方、冬はどうでしょう? 汗をかいていることに気付くまで時間がかかったり、なかなか喉が渇かなかったりするのではないでしょうか。

特に、通常より厚着をしていたりすると、汗をかいていること自体に気付かないケースもしばしば。外気温が低いため、汗をかき始めると蒸発して白い水蒸気が見える…ここでやっと汗をかいていることに気が付きますが、夏場よりもだいぶ遅くなりがちで、これが冬の脱水症状を起こしやすくする原因になります。

そこで、冬こそ水分補給を計画的に行ってください。例えば、冬季スポーツのスキーやスノーボードは寒い山の中で行いますが、5時間に1Lの水分補給が必要だと推奨されています。

しかし、1度リフトに乗って山を上がってしまうと、頻繁な水分補給は難しいかもしれません。そのため、「(1)滑る前(2)1~1時間半おき(3)昼休憩でそれぞれ250ml」など、あらかじめ水分補給をスケジュールに入れておくことをお勧めします。

体温を上げるために十分な栄養摂取を

以前のコラムで、「冬季スポーツで体温を上げておく大切さ」を伝えたように、寒い中で体を動かすには体温を上げることが必要で、夏以上のエネルギーを必要とします。そのため、冬場にスポーツをする時は、エネルギー源となる糖質、タンパク質、脂質をより多く摂っておくことがポイントとなります。

そこで今回は、エネルギーはもちろん、ビタミンやミネラルもふんだんに摂れる「牡蠣と小エビのクリームパスタ」を紹介します。パスタが糖質源となるのは当然のことですが、今からが旬の牡蠣はタンパク質源としてだけでなく、カルシウムや鉄、亜鉛が豊富ですし、たっぷり加えた水菜はカルシウムや鉄、ビタミンAを多く含む野菜です。

脂質が多くなりがちなクリーム系の料理は、控えている方が多いかも知れませんが、エネルギーが必要となる冬場こそ、是非食べてみてください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・今村佳代子