朝晩が随分冷えるようになってきました。ここから一気に冬に向かっていく中で心配されるのは「冷え」です。アスリートにとって冷えは大敵です! 

冷えによる体への影響

冷えによって筋肉が硬くなったり、血流が悪化したりすると、酸素や栄養の運搬がうまくできなくなるため、体のコンディションや運動パフォーマンスに影響します。そのため、試合前には体(筋肉)を温めて血流を促すために、ウオーミングアップが夏場よりも重点的に行われます。

試合後は疲労物質が蓄積しているので、血流を促して回復を促すためにストレッチやジョギング、ウオーキングなどクールダウンが行われます。また、汗冷えしないようにすぐに着替えること、次の試合が控えていれば体温を保持することも大事です。

栄養面からできる対策

これらのシーンにおいて、栄養面からできる対策は「体を温め」「血流を促す」こと。おすすめするのは「温スープ」です。

温かいスープが消化管を流れる過程で体の内部が温まり、深部の体温上昇につながり、血行が促進されます。スープにとろみをつけると保温性も高まり、体内に入ってからも持続するので、ポタージュ系のスープも良いでしょう。さらに、体を温める食材を具にしたり、食べ合わせたりするとより効果的です。

体を温める食材
・香味野菜(ショウガ、ニンニク、長ネギ)
・暖色系野菜(ニンジン、カボチャ、タマネギ)
・暖色系果物(リンゴ、ブドウ、オレンジ)
・発酵食品(納豆、キムチ、みそ)
・発酵茶(ほうじ茶、紅茶)

朝食の組み合わせ例(試合日の朝)
・ごはん
・豚汁(ショウガ、長ネギ、ニンジン、タマネギ、みそ)
スタミナ納豆(ショウガ、ニンニク、ニンジン、タマネギ、納豆)
・フルーツ(オレンジ)
・お茶(ほうじ茶)

試合間または試合後に温スープをとる方法
・自宅からスープジャーに準備して持参する
・水筒にお湯を準備してインスタントスープを持参する
・会場に設置されている自動販売機のコーンスープなど温かいドリンクを購入する
・途中で購入に行ける場合は、スープ系やとろみのついた料理など体を温めることを意識して商品を選ぶ

今回紹介するのは、試合の前後に摂りたい「リカバリー温スープ」です。体の中から温めるショウガとニンニクを使用。具材にするパスタとジャガイモ(糖質)、蒸し大豆とツナ(タンパク質)はリカバリーにも効果的です。

ジャガイモ、タマネギ、キャベツ、ニンジンは小さくカットして柔らかく煮ることで消化も良くなります。ショウガとニンニクは香りを残すため、後から入れましょう。

試合会場に持参する場合、早ゆでタイプのパスタを使うと、スープジャーに熱々のスープと一緒に入れるだけで、食べる時には柔らかくなっています。試合に向けて多めに作り、朝食からリカバリーまでの間でぜひ取り入れてみてください。

試合でパフォーマンスを発揮するために、体の内外から温めて準備を整えましょう。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美