今年度も2カ月が過ぎ、新生活を始めた方も慣れてきた頃だと思います。一方で、何らか挑戦してきたことに飽きたり、面倒くささを感じたり、気が緩んできた方もいるのではないでしょうか。

私は毎年、サポートをしているチームの選手には、1人暮らしになっても困らないように高校卒業時に、食生活に関するガイドブックを作成してプレゼントしています。今年も例年通り渡したのですが、先日、数カ月ぶりにある選手から連絡をもらいました。

2カ月頑張った自炊、だんだん面倒くさく…

彼は、4月から大学生活のために1人暮らしを始めました。ここまで、もらったガイドブックを見て、スポーツをしながら自炊にも挑戦してきました。しかし、料理のレパートリーが少なく、食べることに飽きてしまうと同時に、料理を面倒くさく感じるようになってしまい、とうとう力尽きて、今ではコンビニ弁当やファストフードに頼っているとのことでした。

ただ、高校時代に栄養学を学んだ経験上、自分の今の食事では、競技に必要な体作りが出来ないことはとてもよく分かっているそうです。例えば、彼の口からはもっと「タンパク質を摂らなければいけない」「乳製品を飲まなければいけない」「脂質の摂取は減らさなければならない」「野菜を食べなければならない」ことなど、現状の課題が次々と出てきます。

1人暮らしの前に学ぶ栄養学の大切さ

ここで私が感じたことはまず、「1人暮らしを始める前に、栄養学を学んでおくことの大切さ」です。彼の食生活は褒められたものではありませんでしたが、自分で、現状の食生活を正しく評価できる能力には感心しましたし、安心しました。自分で課題が分かっている限り、どうにか改善に向けて取り組んで行けそうです。

独立後の食生活の重要性、自分で作る力

2つめは、「実家から独立した後の食生活の重要性」です。やはり、選手生活と学生生活と日常生活をこなしていく中では、よっぽど料理好きな方以外、自分で食事を作ることは面倒だと感じてしまうでしょう。大学生を対象としたある研究によると、1人暮らしで自炊をしている学生は、自宅生に比べて朝食の欠食が多いことや野菜の摂取が少ないことなどが明らかとなっています。

そこで今回は、包丁も何種類もの調味料も使わず、鍋1つで作れる「豚肉とレタスのめんつゆしゃぶしゃぶ」をご紹介します。今が旬のレタスを手でちぎって準備するだけ。お肉もしゃぶしゃぶ用の豚肉を用意するだけ。調味料もめんつゆさえあればおいしく食べることができるレシピです。

レタスは、サラダなど生で食べるイメージが強い野菜ですが、火を通すとびっくりするほどたくさんの量を食べることが出来るので野菜不足の解消にもつながります。1人暮らしの自炊アスリートだけでなく、料理が面倒に感じる方も是非、チャレンジしてみてください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・今村佳代子