先日、日本陸連が個人情報保護の観点から、アスリートの身長・体重を非公開にするというニュースが飛び込んできました。インターネットの普及に伴い、誹謗中傷や誤った情報の拡散が問題視されており、主に女性アスリートの身長・体重やそれらから算出されるBMI(体格指数)の情報が独り歩きする背景から判断したといいます。

身長・体重などの体格指数は、選手のポテンシャルの高さや努力の結果を見ている側に分かりやすく示せる指標ではありますが、ベストパフォーマンスを発揮できる身体というのは身長・体重だけでは測れません。同じ身長・体重であっても、身体の中身(筋肉量・体脂肪量)が違えば、出力されるパフォーマンスも全く違うものになります。成長途中のジュニアアスリートにおいては特に、身長の伸びや体の発達を考慮した目標体重設定がとても大切です。

アスリートには考える力が必要

分からないことがあった時、検索エンジンに気になるワードを打ち込むだけで、膨大な量の情報を得ることができる世の中になりました。しかし、ウェブ上の情報は有益なものだけでなく、根拠のない誤った情報や偏った情報も混ざっています。

「情報リテラシー(入手した情報を正しく理解し活用する能力)」という言葉がよく使われるように、膨大な量の情報との付き合い方も重要になります。食品だけでなく、サプリメントや栄養補助食品を利用することが多いアスリートにとっても、食品を選択する力は今後、これまで以上に求められるようになるでしょう。

食品選びの3つのポイント

食事選びのベースとして押さえておいて欲しいポイントを3つ挙げます。

これさえ食べれば…という魔法の食べ物はない
ひとりひとり体質が違えば、合う食事も違う
何のために食べるのか、考えて食べる

例えばプロテインを利用するとして、「テレビでトップ選手が飲んでいたから」という理由と「練習がハードで食事だけではタンパク質が足りないから」という理由では意味が全く変わってきます。社会人や地方出身で1人暮らしをしなければならないアスリートは、自分で食事を管理しなければならないことも少なくありません。食事もトレーニングの一環として「なぜ食べるのか」を常に頭に置いて食事を楽しめるといいですね。

時短や手間を省くテクニック

情報が瞬く間に拡散されるということは、悪いことばかりではありません。調理を楽にするコツやおいしい食材の組み合わせなどの情報も簡単に手に入るようになりました。今回紹介する「豆腐入り花シュウマイ」のレシピも、そんな時短テクニックが詰まっています。

シュウマイの皮は千切りにしてまぶすだけ。豚ひき肉、木綿豆腐と干しシイタケなどをこねたタネは、ポリ袋に詰めて絞り出すことで洗い物を減らします。また、タネは少し濃い味付けにしてタレいらずにすることで、お弁当おかずにもぴったりな一品となっています。

色々な情報を正しく選び、うまく使えば、料理も楽しくなるでしょう。ラクにおいしく「食トレ」に励みましょう。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・川口郁子